新宿溝口クリニック映画部部長のYです
2013年師走の日曜日。日本公開3日目の本作を観て来ました
言わずと知れた、文豪ヴィクトル・ユーゴー原作による、アラン・ブーブリル作『レ・ミゼラブル』のミュージカルをトム・フーパー監督があえて映画化した作品です。
「X-メン」の印象が強いヒュー・ジャックマン演ずる、追われる男ジャン・ヴァルジャン、そして既ににアカデミー主演男優賞ノミネート3回、ラッセル・クロウ演ずる、追う男ジャベール。二人のオーストラリア育ちの俳優が主演を務めます。
正直、ヒュー・ジャックマンはわたしの中のジャン・ヴァルジャンではないのですが、全編ミュージカルのため、スクリーン映えする華ある実力者を選出せざるを得ない、事情ある配役。よって、全キャストにオーディションを敢行。ほぼ歌いっぱなしの本作には、吹き替えが必要な役者など誰一人出てきません。
中でもアン・ハサウェイ演ずるファンティーヌの情感溢れる独唱《夢やぶれて》は圧巻ですheart03「レイチェルの結婚」以来、アン・ハサウェイの女優としての活躍には目を見張るものがありますね。何と実の母親も舞台『レ・ミゼラブル』でファンティーヌ役の経験があるそうです。ヴェジタリアンだそうなので栄養状態が心配です
アン・ハサウェイ Anne Hathaway 1982年11月12日生まれ
米国ニューヨーク市ブルックリン出身
お行儀の良い舞台版ミュージカル『レ・ミゼラブル』とは一味も二味も違う、撮影という映画ならではのキャストとカメラワーク。そして名曲の数々。音楽が手招きする《感情移入》。名作に恥じぬよう、この古典に真摯に向き合った製作者、
出演者たちのアンサンブルが素晴らしい
恋に落ちるマリウスとコゼット↓二人の瑞々しさが光線になっています。
フランス人の心を救ったとまで言われるヴィクトル・ユーゴー。この名作は当然のことながら、単に人生の明暗や人間の善悪を描いている訳ではありません。主人公ジャン・ヴァルジャンの過酷な人生を通して私たちが体感する愛。その普遍性こそが誕生から150年経った今も、人々の心を射抜く本作の底力なのだと思います
動かしようのない現実ゆえに生み出された崇高な使命。上映時間2時間38分もありますが、決して観て損はない入魂作。機会があれば、この経験を是非
幾度となく映画化されている『レ・ミゼラブル』ですがコチラの作品が個人的には好みです。
(この大作を2時間程度に収めることにそもそも無理があることをご理解の上、ご鑑賞くださいませ)
テナルディエ夫人役のヘレナ・ボナム=カーターは名家育ちの美人女優。
以前はシェイクスピア作品を代表とするお堅い映画を中心に活躍なされていたのですが、奇才ティム・バートン(映画監督)と私生活でパートーナーを組むようになってからは、銀行頭取の父親も精神科医の母親もお手上げのコスプレ振り。ヘレナ・ボナム=カーターの親族はティム・バートンが大嫌いだそうです(笑)
彼女は今回、トム・フーパー監督の前作『英国王のスピーチ』に続いての抜擢ですが、ティム・バートン作品出演時と何ら変わらぬ、バカ殿を彷彿させるコスチュームで登場します。どうぞお楽しみに
写真は↓『アリス・イン・ワンダーランド』赤の女王より (ちなみに白の女王を演じていたのはアン・ハサウェイです)確かに凄いことになっています。。。
ヘレナ・ボナム=カーター Helena Bonham Carte
1966年5月26日生まれ 英国ロンドン出身
わたしはヘレナ・ボナム=カーターが大好きです