症例報告 CASE

10歳 女児 アトピー性皮膚炎

※イメージ
※イメージ

患者データ

疾患
性別 女性
年齢 10歳(発症時:2歳)
具体的な症状

2歳頃から皮膚のトラブルを繰り返し近医にてアトピー性皮膚炎の診断となりステロイド剤を中心とした治療が始まった。

徐々に強いステロイド軟こうに変わり、使用する頻度も増えほぼ毎日となる。他皮膚科クリニックにてアトピー性皮膚炎とステロイド性皮膚炎の混合との診断となる。

8歳時、脱ステロイド、脱保湿療法の皮膚科クリニックを受診し、医師の指導のもの脱ステロイドを行う。
皮膚の落屑がひどく、強い疲労感もあり学校へ行くことができない。

脱ステロイド、脱保湿剤は成功したものの、皮膚の乾燥と痒みが強く栄養療法を希望し受診となった。

初診時

検査データ

オーソモレキュラー栄養療法による解釈

内科、小児科的に問題となるものはない。

■栄養的な評価
・鉄、亜鉛などの不足
・タンパク質の不足
・糖質に偏る食事による血糖値の変動が大きい
・ビタミンB,ビタミンDなどの不足

当院でのオーソモレキュラー栄養療法による治療

生活習慣

■タンパク質を増やし血糖値の変動を小さくする食事方法
タンパク質は新しいアレルギーを作らないようにするためにローテーションを組んだ食材選び。
米などの糖質は食事の最後の食べるなどの工夫で血糖値の急激な上昇を防ぐ。

■腸の炎症を防ぐための食事方法
・小麦製品、乳製品の摂取を控える
・甘いものを止める
・熟れた果物を控える

サプリメント ■ビタミン
・ビタミンA,D,E,K:ごわごわ、かさかさした角化を防ぎ皮膚の滑らかさを得るため
・ビタミンB群:食事やサプリメントで摂取した栄養素を効率よく利用するために必須
・ビタミンC:ドリンクタイプを選択し頻繁に飲み物として利用できるよう選択

■ミネラル
・亜鉛:アトピー性皮膚炎の治療ではとても重要なミネラル。皮膚の再生が早くなりしっとり感が増す。
・鉄:痒みの原因となる活性酸素を発生させないようヘム鉄を選択

治療の経過

具体的な症状

皮膚の落屑が減り朝も起きることができるようにあり、学校へ通うことが可能となった。
痒みはとても改善しシーツなどでも皮膚の落屑が無くなった。以前は無意識に掻いていて出血の跡や落屑がひどかった。
乾燥も栄養療法前の2/10程度まで改善している。
今後は、皮膚の黒ずみなどの改善を期待する。

検査データ

解説

■初診時と7か月後の主な検査項目とその推移
通常の基準範囲による評価では、初診時、7か月後ともに問題なく大きな変化はないと評価される。
オーソモレキュラー栄養療法では、基準範囲内の検査データの推移から栄養状態を詳細に評価する。

総タンパク、総コレステロールの上昇は、この期間の十分なカロリーとタンパク質摂取量が確保されたことによる変化と考えられる。
ホモシステイン値の変化は、ビタミンB群の補充によって得られた変化であり、体内でのデトックス能の改善を意味する。
その他、鉄や亜鉛などの重要なミネラルの不足が改善されている。

サプリメントのリスク・副作用

食事指導による食材の変更やサプリメントに含まれる原材料などへのアレルギー。
従来と異なる食事などによる便秘や下痢などの便通のトラブル。

料金

初回基本セット 52,800円+α(必要に応じて追加検査代)
サプリメント代 20,000〜62,000円/月