うつ・パニック障害 | みぞぐちクリニック | 東京駅八重洲北口・日本橋駅5分

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うつ・パニック障害

うつ・パニック障害とオーソモレキュラー栄養療法

うつ・パニック障害とオーソモレキュラー栄養療法

まだ日本ではあまり知られていないオーソモレキュラー栄養療法ですが、実は1960年代から北米で始まり世界中で行われてきた治療法です。

しかもこの治療法は、精神科領域の疾患の治療から始まりました。このような経緯からもうつ病やパニック障害にたいしても、長い歴史と多くの実績があることを理解いただけると思います。
うつ病、パニック障害、統合失調症、不眠症などは、投薬中心の治療が行われています。また症状ごとに多くの薬剤が用いられる多剤併用療法が多く、日本の精神科治療の特徴ともなってしまっています。

そのため辛い症状が本来の疾患によるものか、薬剤による副作用であるのか判断が困難なことも多くあります。

脳のカロリー消費

脳は体重の2%程度の重さですが、エネルギー(カロリー)消費は、全体のおよそ20%にもなります。

つまり脳は大変な大食漢であり、エネルギー源となるブドウ糖やケトン体を大量に消費するのです。エネルギーを消費するためには、細胞内では大量のビタミン、ミネラルなどが必要になり消費されます。
特に需要が高まるのはビタミンB群とヘム鉄です。この二つの栄養素は、脳だけでなくエネルギー消費が激しい細胞や組織では大量に必要になるのです。
オーソモレキュラー栄養療法の基本的な考え方に、ある組織や臓器のトラブルはその部位で消費する栄養素の不足が関係するというものがあります。

この栄養素の不足とは全身的な欠乏状態になることではなく、その組織や臓器が全身の欠乏よりも早い時期から栄養素の不足によって障害を受けるということです。
つまりビタミンB群やヘム鉄の不足は、全身的なこれらの栄養素の欠乏症が生じる前から、脳の機能に支障を生じるということです。

心や精神のバランスと栄養素

科学が発達した現代でも、心や精神の調節がどのようにおこなわれているのか完全に解明されていません。

抗うつ薬、抗不安薬、睡眠薬など心療内科や精神科では多くの薬が処方されていますが、どの薬もうつや不安などの症状が起こる仮説に基づいて作られたものです。
毎年多くの精神科領域の薬が開発されているにもかかわらず、うつ病の患者数は増え続けていることからも脳の機能については不明なことが多いことが分かります。

心や精神のバランスは、脳内の神経伝達物質のバランスによって調整されているというのが有力な仮説であり、多くの薬もその理論に基づいて開発されています。(図1)
セロトニンの不足は抑うつ傾向をもたらすことが知られています、GABAの不足は睡眠のトラブルや不安症状を引き起こすと理解されています。これらの脳内で作用する神経伝達物質は脳内で合成され脳内の神経細胞で作用します。

食材から摂取されたタンパク質が消化吸収を受けアミノ酸まで分解され血液に含まれ脳をはじめ全身の臓器に運搬されます。
血液脳関門を無事に通過した数種類のアミノ酸は、鉄やビタミンB群の助けによって心や精神のバランスをとるために必要な精神伝達物質に脳神経細胞内で合成されます。(図2)

つまりタンパク質の不足やビタミンB群や鉄の不足は、脳内神経伝達物質の円滑な合成を阻害することになります。脳は大量のエネルギーを消費するためにビタミンBやヘム鉄が減りやすい特徴がありました。
これらの栄養素が不足すると心や精神のバランスに必要な神経伝達物質の合成にも支障が生じるのです。

オーソモレキュラー栄養療法における脳の特徴

脳は40%がタンパク質、60%が脂質でできています。他の臓器に比較して脂質の割合がとても高い特徴があります。
そして脳を構成する脂質のうち約50%がコレステロールであり25%がDHAというω3系の脂肪酸になります。この割合も他の組織や臓器に見られない脳の特徴です。

コレステロールは食材からの供給よりも自前で合成する量の方が多く、脳に含まれるコレステロールも脳内における自前の合成に依存します。ところがDHAは必須脂肪酸と言われるものの1種であり、自前で合成することができないため食材などから摂取する量に依存することになります。
オーソモレキュラー栄養療法の基本となる考え方は、その臓器に多く含まれている栄養素の不足の影響を受けやすいというものでした。
つまり脳はコレステロールの合成が落ちてしまうような栄養状態と必須脂肪酸のDHAの摂取不足にとても弱いのです。

コレステロールの合成は、十分なカロリーの供給が第一です。
そしてDHAについては、摂取する量を増やすだけでなく、ω6系の必須脂肪酸との摂取の割合を変えることも重要です。

このようにオーソモレキュラー栄養療法では、食事やサプリメントを用いて脳におけるエネルギー産生を十分に行い神経伝達物質のバランスを保ち、脳が必要とするDHAなどを供給することなどを行います。

実際には、各患者さんの血液検査データから必要な栄養素の種類と量を選択することになります。日本の精神科医療では、薬に頼るばかりに諸外国と比較して多剤併用になることが多く、薬の副作用に苦しまれている患者さんが多くいらっしゃいます。オーソモレキュラー栄養療法との併用で、症状を安定させながら減薬や断薬に取り組むことができることが多くあるのです。

図1

図2

オーソモレキュラー的、症状と使用する栄養の関係について

  • 疲れやすい ⇒ 鉄、ビタミンB群、ナイアシン
  • 眠りのトラブル ⇒ 血糖値スパイク、ビタミンB群、マグネシウム
  • 意欲の低下 ⇒ 糖質依存、タンパク質、ビタミンB群、ナイアシン、鉄
  • 不安、パニック ⇒ 血糖値スパイク、ビタミンB群、ナイアシン、DHA
  • 幻聴や妄想 ⇒ ビタミンB群、ナイアシン、DHA

腸と脳の関係について

腸脳相関といわれるように、脳の機能のトラブルと腸のトラブルには深い関係があります。
脳内ホルモンのほとんどは腸にも存在し、腸のトラブルはダイレクトに脳のトラブルを引き起こします。

オーソモレキュラー栄養療法では、脳のトラブルと思われる症状の改善のために、積極的に消化管の機能を改善させることを優先することがあります。
ピロリ菌の除菌をしたただけで、長年苦しんでいた抑うつ感が改善したこともあります。

オーソモレキュラー的、症状と使用する栄養の関係について

  • 便秘 ⇒ 食物繊維、プレバイオティクス、プロバイオティクス
  • 下痢 ⇒ グルタミン、プレバイオティクス、プロバイオティクス
  • 消化不良 ⇒ 消化酵素、グルタミン
  • リーキーガット症候群 ⇒ グルタミンなど 正しい評価によって異なります

料金(目安)

初回基本プラン
52,800円
初回基本プランに含まれるもの
・詳細な血液検査+栄養解析レポート
・診察料 5回分

※追加検査が発生する場合があります。追加検査の料金の詳細などは診療料金をご覧ください。

月々のサプリ代
2万円~6万円

一般的な治療法

うつ病とは

うつ病とは

うつ病は、気分障害の一つです。

気分障害とは、気分の変動によって日常生活に支障をきたす病気の総称です。
うつ状態だけが続くものをうつ病、躁状態とうつ状態を繰り返すものを双極性障害と言います。
一日中気分が落ち込んでいる、何をしても楽しめないといった精神症状とともに、眠れない、食欲がない、疲れやすいといった身体症状が現れ、日常生活に大きな支障が生じている場合、うつ病の可能性があります。気分障害にはうつ病の他に、うつ病との鑑別が必要な双極性障害(躁うつ病)などがあります。うつ病ではうつ状態だけがみられますが、双極性障害はうつ状態と躁状態(軽躁状態)を繰り返す病気です。うつ病と双極性障害とでは治療法が大きく異なりますので専門家による判断が必要です。

双極性障害(躁うつ病)は、躁状態とうつ状態をくりかえす病気です。
躁状態とうつ状態は両極端な状態です。その極端な状態をいったりきたりするのが双極性障害なのです。
気分の波は誰にでもあります。幸せな感じがする時もあれば悲しい気分の時もあるのは当たり前です。
嫌なことがあったときに落ち込んだり、楽しいことがあったときにウキウキしたりするのは、ごく自然なことで病気ではありません。
でも、周りの人たちが「どうもいつものあの人とは違う」と気づき、「ちょっとおかしいのでは?」と思えるほどその気分が行き過ぎていて、そのために家族や周りの人が困ったり社会的信用を失うほどであったら、それは双極性障害かもしれません。

本当は双極性障害であるのに軽い躁状態に気づかず、うつ病と診断されている人も少なくありません。
うつ病の治療をしてもなかなか治らない患者さんが実は双極性障害だったということもしばしばあります。また、逆にうつ病であるのに症状が改善して正常範囲の元気さを取り戻したものを軽い躁状態と間違えられて、双極性障害と診断されている人も少なくありません。
双極性障害の治療をしてもなかなか治らない患者さんが実はうつ病だったということはしばしばあります。
躁とうつの症状が現れる間隔は数ヶ月だったり数年だったりいろいろです。躁状態から突然うつ状態へ切り替わることもあります。
うつ状態しか経験したことがないと思っていても、病気とは思えないようなごく軽い躁状態を何度も経験していた、ということもあります。この場合は双極性障害に含まれます。
一般に躁状態の期間よりもうつ状態の期間のほうが長く続く傾向があります。

うつ病の分類

うつ病の分類

重症度

症状による仕事や日常生活に現れる支障の程度によって、重症度も様々です。
「軽症」は、仕事や日常生活、他人とのコミュニケーションに生じる障害が自覚的にはあるものの、周囲の人はその変化にあまり気がつかないことも多いレベルです。
一方「重症」は、仕事や日常生活、他人とのコミュニケーションが明らかに困難なレベルです。「中等症」はその間に位置します。

初発か再発かという視点

「単一性」か「反復性」という分類です。「反復性」の場合は、特に再発防止が重要であり。双極性障害の可能性も考えておく必要があります。

特徴的な病型による分類

「メランコリー型」、「非定型」、「季節型」、「産後」などがあります。
「メランコリー型」は、典型的なうつ病と言われることの多いタイプです。
さまざまな仕事や責務、役割に過剰に適応しているうちに脳のエネルギーが枯渇してしまうような経過をたどるものを指しています。
特徴としては、良いことがあっても一切気分が晴れない、明らかな食欲不振や体重減少、気分の落ち込みは決まって朝がいちばん悪い、早朝(通常の2時間以上前)に目が覚める、過度な罪悪感

うつ病の症状

うつ病の症状

一日中気分が落ち込んでいる、何をしても楽しめないといった自覚症状が続いている場合、うつ病の可能性があります。気分が落ち込むような明らかな原因が思い当たらないことも少なくありません。また、
原因と思われる問題を解決しても気分が回復せず、日常の生活に大きな支障が生じることがあります。
うつ状態では、物事の捉え方が否定的になります。そのため、自分がだめな人間だと感じてしまうこともあります。
そして、普段なら乗り越えられる問題も、実際よりもつらく感じてしまうという悪循環が起きてしまいます。
イライラしたり、焦る気持ちも出てきます。重症になると「死んでしまいたいほどのつらい気持ち」が現れることもあります。
うつ病かなと思ったら、早めに専門家に相談することが大切です。

うつ病の精神症状
  • 気分が落ち込む、特に朝の抑うつ気分が強い
  • 物事をやるのがおっくうで早くできない
  • 集中力が落ち、仕事を効率よくできない
  • 些細な決断ができない
  • 今まで好きだったことや、趣味をやる気になれない
  • 人に会いたくない、人と一緒にいたくないし、話したくない
  • 身だしなみやおしゃれに関心がわかない
  • 不安や落ち着きのなさ(焦燥感)でじっとしていられない
  • 寝てもさめても同じこと(心配ごとや悲観的なこと)を考えてしまう
  • 表情が暗く、自分は役に立たない、ダメな人間と自分ばかり責めてばかりいる
  • 涙もろくなる
  • 飲酒量が増える
  • 希死念慮(死にたいと思うこと)、自殺企図(自殺を企てる)
うつ病の身体症状
  • 睡眠障害(過眠、入眠困難、早朝覚醒、中途覚醒、熟眠障害)<5/li>
  • 倦怠感、疲労感、頭重感、頭痛、めまい
  • 食欲不振、胃部不快感、便秘、下痢、口渇
  • 肩こり、背中や腰などからだの痛み
  • 息苦しさ、動悸
  • 手足のしびれ感、嫌な汗や寝汗
  • 排尿困難、性欲低下、女性では月経不順など
  • ホルモン系の異常(月経の不順、性欲の低下、勃起の障害)
うつ気分のチェックリスト

この数週間における心身の状態で、あてはまるものはいくつでしたか?

  • 3個以下・・・問題なし、今のペースで続けていきましょう。
  • 4個以上・・・ストレス予備軍。趣味などによる気分転換をはかりましょう。
  • 8個以上・・・ストレス状態。休養を心がけましょう。
うつ病の原因

うつ病の原因

発症の原因は正確にはよくわかっていませんが、感情や意欲を司る脳の働きに何らかの不調が生じているものと考えられています。
現在の社会では、誰もが多くのストレスにさらされていますので、誰もが「うつ」と無関係とはいえません。うつ病の背景には、精神的ストレスや身体的ストレスなどが指摘されることが多いですが、辛い体験や悲しい出来事のみならず、結婚や進学、就職、引っ越しなどといった嬉しい出来事の後にも発症することがあります。
なお、体の病気や内科治療薬が原因となってうつ状態が生じることもあるので注意が必要です。

うつ病・抑うつ状態になりやすい人

  • まじめで仕事熱心
  • 完全主義で几帳面
  • 仕事や家事を人任せにできない

うつ病は男性に比べ女性に多くみられる病気です。
その原因はまだよく分かっていませんが、月経周期や妊娠など、女性特有のホルモンの変動が関係していると考えられています。
また、近年は女性の社会進出が著しく、仕事上のストレスが増大している一方で、男性優位の価値観もまだ根強く残っており、就職や結婚・出産・子育てなどのライフイベントを通じて女性が会社や家庭から受けるストレスもうつ病を引き起こす要因の一つと考えられます。
女性のうつ病について、ライフステージに沿ってみてみましょう。

思春期の女性のうつ病

思春期は情緒が不安定になりやすい年代です。
女性らしい体に変化するこの時期、初潮とともにエストロゲンと呼ばれる女性ホルモンの分泌量が急激に増加しますが、ホルモンを分泌する卵巣が未成熟なのでホルモンバランスを崩しやすく、それがうつ病発症の一因と考えられています。
この時期のうつ病は、気分の落ち込みや意欲の低下だけでなく怒りっぽくなったり、反抗的になったり、暴力的になったり、ほかの時期のうつ病とは違った症状がみられることもあります。
うつ病が不登校や引きこもりの原因になっていることもあり、注意が必要です。

妊娠・出産・子育て中のうつ病

妊娠・出産・子育ては女性にとって大きなライフイベントの一つですが、妊娠期や出産後(産褥期)はうつ病にかかりやすい時期でもあります。

妊娠期のうつ病

妊娠期のうつ病有病率は6.5~12.9%といわれていますから、8~12人に1人が経験していることになります。
妊娠初期に多くみられ、心理社会的要因(社会的サポートが不十分、予期せぬ妊娠、パートナーとの関係など)が関わっていると考えられています。妊娠期のうつ病は「産後うつ病」の危険因子と考えられているため、注意が必要です。

マタニティ・ブルーと産後うつ病

出産後、ホルモンバランスが崩れ、軽い焦燥感、不眠、食欲不振、疲労、頭痛、涙もろいなどのうつ症状がみられるのは「マタニティ・ブルー」と呼ばれ、通常1~2週間程度で治まります。
しかし「産後うつ病」はより重く、入院が必要になるケースが多いのが特徴です。
産後3~6ヶ月以内に10~20%の方にみられ、その要因には生物学的要因と心理社会的要因が考えられています。
生物学的要因として、ホルモンバランスの大変動があります。
妊娠中はエストロゲンやプロゲステロンというホルモンが増加しますが、分娩によってこれらのホルモン量は急激に低下します。
また、乳汁の分泌を促進するホルモンであるプロラクチンも、出産直後に一旦減少しますが、その後授乳によって急激に上昇することが知られており、これら産後の性ホルモンの変動がうつ病と関連していると考えられています。

一方の心理社会的要因としては、出産後の「母親」「育児」などの新たな役割への戸惑いや不安、夫やその他家族との関係、経済状況、場合によっては出産に至る経緯(望まれる出産だったかどうかなど)などのストレスがあります。

うつ病でもっとも注意が必要なのは自殺ですが、産後うつ病の場合には子どもへの虐待や子どもを道連れにした母子心中に」発展してしまう恐れがありますから、早期に発見して治療を開始することが必要です。過去にうつ病になったことがある場合、特に産後うつ病の発症リスクが高まると考えられています。
産後うつ病を早期に発見する方法としては、イギリスで開発された「エディンバラ産後うつ病自己調査票(EPDS)」があります。
チェックしてみるとよいでしょう。
ただ、正確な産後うつ病の診断には精神科を受診する必要があります。テストのスコアに関わらず不安を感じる場合には、産婦人科や精神科に相談してみましょう。

エディンバラ産後うつ病自己調査票(EPDS)

あなたの気分をチェックしてみましょう。
過去7日間にあなたが感じたことに最も近い答えにチェックをつけてください。
10項目全部に答えてください。

①笑うことができたし、物事の面白い面も分かった

②物事を楽しみにして待った

③物事がうまくいかなかった時、自分を不必要に責めた

④はっきりとした理由もないのに不安になったり、心配したりした

⑤はっきりとした理由もないのに恐怖に襲われた

⑥することがたくさんあって大変だった

⑦不幸せな気分なので、眠りにくかった

⑧悲しくなったり、惨めになったりした

⑨不幸せな気分だったので、泣いていた

⑩自分自身を傷つけるという考えが浮かんできた

1、2、4の質問の答えは上から0、1、2、3点、
それ以外の質問の答えは上から3、2、1、0点として数えます。

合計スコアが12点以上の場合や、スコアに関わらず不安を感じる場合には産婦人科や精神科で相談してみましょう。

更年期うつ病

更年期は、卵巣機能の低下が起こる閉経前後(45~55歳くらい)の時期を指します。

女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が減退することにより、いわゆる「更年期障害」が起こります。
更年期障害ではほてりやのぼせ、めまい、動悸、トイレが近くなる、手足の冷え、しびれ、頭痛、肩こり、腰痛、倦怠感、耳鳴り、目のかすみ、息切れ、食欲不振、腹痛などのさまざまな身体症状が現れるほか、不眠、イライラ感、不安、気分の落ち込み、意欲・集中力の低下などの精神症状も現れます。
更年期障害の治療は分泌が少なくなったエストロゲンを補充するホルモン補充療法が中心となります。

また、この時期は子どもの成長や巣立ち、夫婦関係や介護の問題などで生活が大きく変わりやすいものです。
結婚や就職、進学などで子どもが親元から離れ巣立っていくことは喜ばしいことですが、一方で「母親」としての役目が終わってしまったことへの寂しさが喪失感となってうつ状態に陥ることがあります。
これは鳥の雛が巣立っていく様子にたとえて「空の巣症候群」と呼ばれています。

自らの体の老化を強く意識してしまったり、老後の生活への不安を感じたり、心身のバランスが崩れてうつ病(更年期うつ病と呼ばれます)になりやすい時期でもあります。

更年期障害ではさまざまな症状が現れるので、更年期うつ病と見分けがつきにくいのですが、心の変調を感じ始めたら婦人科や精神科に相談してみましょう。

高齢者のうつ病

年齢を重ねて精神的に安定していると考えられがちな老年期ですが、体力や気力の衰え、健康への不安、親しい人たちの死別、一人暮らしの孤独感などからうつ病になることが意外と多いのです。
高齢者のうつ病は、身体の症状が強調されてしまい、うつ病であることが見えにくくなったり、認知症と間違われて見逃されてしまったりすることがありますので、注意が必要です。

高齢者のうつ病有病率は13.5%と言われていますから、うつ病は認知症と並んで高齢者によくみられる病気の一つです。高齢者では男性に比べて女性の患者が非常に多い傾向が明らかになっています。

高齢者のうつ病では、抑うつ気分のような精神症状が目立たず、耳鳴り、めまい、ふらつき、手足のしびれなど自律神経症状の訴えや頭痛、腰痛、胃部不快感などの不定愁訴が特徴的です。また、「物忘れが増えた」と訴えたり、心気傾向(検査をしても特に異常が認められないのに、過度に自身の健康を心配し、悩んでしまう)が強く、「心臓が動いていない」「胃の中に虫がいる」のような妄想(心気妄想)が現れたりすることも特徴の一つです。

ほかにも貧困妄想(実際にはお金があるのに「まったくお金がない」と考えてしまう)や罪業妄想(自分を罪深い存在だと自責の念にとらわれてしまう)などが起こることがあります。

高齢者のうつ病では周囲の人も患者自身もうつ症状を「年だから仕方ない」と考えて受診せずに放っておいたり、受診しても精神症状については医師に話さず、主に身体の痛みや不調などの身体症状を訴えたりすることが多いために見過ごされ、重症化してしまうことがあります。
高齢者は身体疾患を合併している場合が多く、それらの背景にうつ病が隠れてしまいやすいことも高齢者のうつ病の特徴といえます。
高齢者のうつ病では認知症と間違われるケースが少なくありません。
認知症というと記憶障害が知られていますが、ほかにも気分の落ち込み、意欲・集中力の低下、イライラ感などうつ病と非常によく似た症状が現れます。
うつ病と認知症を区別するためには、時計を描くテスト(CDT)や詳細な認知機能検査、MRI検査、SPECT、PETなどの脳機能検査があります。
うつ病と認知症を合併している場合もありますから、自身が不安に感じたり、家族や周りの人が心身の不調に気がついた場合は、なるべく早くかかりつけ医や精神科で相談してみましょう。

うつ病の診断

うつ病の診断

現在、うつ病の診断基準にはアメリカ精神医学会による「DSM-5精神疾患の診断・統計マニュアル1」と世界保健機関(WHO)による「疾病及び関連保健問題の国際統計分類第10版」の2つが用いられています。

ここではDSM-5の診断基準についてみてみます。
DSM-5によれば、うつ病は「抑うつ障害群」という病気の一つに分類されており、「大うつ病性障害」とも呼ばれています。

下記の9つの症状のうち、①または②を含む5つ以上の症状があり、それが2週間以上続いている場合に「うつ病」と診断されることになります。

うつ病というと、気分の落ち込みや憂うつ感をはじめとする精神的な症状がよく知られていますが、体のだるさや痛み、しびれなど一見うつ病とは関係ないような身体的な症状が目立つ場合もあります。
内科や整形外科などで診てもらったけれど検査結果には異常がないので原因がよくわからず、いくつかの病院で診てもらううちに精神科や心療内科の受診を勧められるというケースも少なくありません。

また、うつ病以外の病気でもうつ状態が引き起こされることが知られており、双極性障害、気分変調症、適応障害、不安障害、統合失調症などの精神疾患、脳血管障害や認知症、甲状腺機能障害、全身性エリテマトーデス、消化器疾患、心疾患、腎疾患、肝疾患、糖尿病などの身体疾患があげられます。

ほかにも、インターフェロンやステロイド剤などの薬の副作用でうつ状態になることがあります。いずれにしても、うつ状態は放っておかずに早めに受診することが大切です。

うつ病の治療

うつ病の治療

うつ病治療の四本柱は「休養」「環境調整」「薬物治療」「精神療法」です。

休養・環境調整

十分な休養をとって心と体を休ませることはうつ病治療の第一歩です。職場や学校、家庭などで受けるストレスを軽減できるように環境調整をしてみましょう。
たとえば、職場での配置転換や残業時間を短縮してもらったり、家事を分担するとよいでしょう。

うつ病になる方の性格的な傾向として、生真面目で責任感があり自分に厳しい方が多いので、休養をとったり、環境調整をお願いしたりすることで職場や家族に迷惑をかけてしまうのではないかと考えてしまうかもしれませんが、焦らずに休養をとって、自分のできることを無理なくできる環境を作ることが回復への早道となります。
主治医に相談し、職場の上司や同僚、担任の先生、家族にお願いしてみましょう。

また、うつ病の症状としてなかなか寝付けない、あるいは早朝に目が覚めてしまうといった「睡眠障害」や「食欲不振」を訴える方が多くみられます。
規則正しい十分な睡眠とバランスのとれた食事は、健康な心と体を取り戻すためには欠かせません。

薬物治療

うつ病の治療には休養や環境調整とあわせて薬による治療が欠かせません。
現在、日本で用いられているおもなうつ病治療薬はSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)やSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)と呼ばれる「抗うつ薬」です。
そのほかにも患者さんの症状に合わせて抗不安薬・睡眠導入剤・気分安定薬・非定型抗精神病薬などが使用されます。

精神療法

十分な休養・環境調整と薬物治療を組み合わせることでうつ病はかなり回復するといわれていますが、うつ病の原因となったストレスを振り返って対処法を学んで調子のよい状態を維持し、再発を防ぐ目的で行われているのが精神療法です。
一般的なものに「認知行動療法」「対人関係療法」があります。

認知行動療法

なにか困った事にぶつかった時に起こりがちな悲観的な物事の捉え方や考え方のくせを改善することで、マイナス思考がうつ状態を悪化させる悪循環を断ち切る方法を学びます。

対人関係療法

うつ病を引き起こす要因となった対人関係の問題を解消することで、ストレスを軽減させる目的で行われます。
対人関係が改善されると周囲の人にも受け入れられやすくなるので、回復に向けたサポートが受けやすくなるというメリットもあります。

その他の治療

うつ病の治療には上記のほかにも下記のようなさまざまな治療法があります。

運動療法

心臓に負担にならない程度の有酸素運動を行う治療法で、薬物療法と組み合わせて行います。

高照度光療法

非常に明るい光(2500ルクス以上)を1~2時間程度照射する治療法です。

修正型電気けいれん療法(m-ECT)

全身麻酔と筋肉けいれんを抑える薬を使用して、脳に数秒間の電気刺激を与える治療法です。
重篤な場合や深刻な焦燥感、強い希死念慮がある場合、副作用などの理由で薬物療法難しい場合に用いられます。

経頭蓋磁気刺激法(TMS)

特殊な機械で磁場を発生させ、そこで生じた誘導電流で神経細胞を刺激する方法です。

うつ病の予後

うつ病の予後

うつ病は治療を始めればすぐに治療が終わるというものではありません。

骨折など病院に通う必要のある身体疾患と同じように、治癒していく過程にはある程度の期間が必要になります。
治っていく経過も、良くなったり、悪くなったりという小さな波をもちながら、階段をゆっくりと1段ずつ上がるように改善していきます。
そして、うつ病の多くは、以前の元気が回復している状態=「寛解」状態を迎えることができるとされています。

治療の期間は、「急性期」「回復期」「再発予防期」と大きく3つの期間に分かれると考えられます。
急性期に特に重視したい治療方法が休養および薬物療法であり、回復期や再発予防期では薬物療法および精神療法・カウンセリングといった治療方法が重視されます。

「うつ病を引き起こす原因はひとつではない」ので、3つの期間がそれぞれどのくらいの時間を要するかは、状況によって大変幅があります。
急性期が1ヶ月~3ヶ月、回復期が4ヶ月~6ヶ月、再発予防期が1年~、というのが典型的なうつ病の場合の大まかな目安となります。
もちろん軽症で早期に治療を開始した場合には、より早く再発予防期に移行することが可能な場合もあります。

生活習慣病と同様、早期に対応することが重要であることは変わりありません。

回復後の心構え
  • 性格を変えることは簡単ではありませんが、「真面目で几帳面」「融通がきかない」などの性格を自覚していると、無理をしない、ストレスの原因を避けるなどの対処が可能になります。
  • 何事も完璧を目指すのではなく、「腹八分目がちょうどいい」を考えて頑張りすぎないことです。気持ちにゆとりを持ちましょう。
  • 一人で全てのことをこなそうとすると、能力以上のことを抱え込むことになり、ストレスがたまります。一人で思い悩まずに、友人や家族など信頼できる人に相談してください。
  • 肩の力を抜いて、マイペースな生活を心がけ、またすべての人に自分を理解してもらおうなんて思わないようにしましょう。
  • 生活に大きな変化があったときは要注意。喜ばしい変化でも、うつ病の誘因になることがあります。忙しい時こそ、家族や友人と話す時間を作り、意識してリラックスしましょう。
社会復帰に向けて

うつ病の治療には時間がかかりますが、適切な治療を継続することで社会復帰することができます。

会社を休職中の方の場合、主治医と相談の上、復職に耐えられるくらい回復していると判断されたら復職の準備をはじめてみましょう。
ただし、遅れを取り戻そうと焦ることは禁物です。
ますは少しずつ、働いていた時と同じ生活リズムに戻していくことが必要です。

朝、出勤していた時と同じ時間に起きて近くの図書館に通ってみたり、スーツを着て会社の近くまで通勤の練習をしてみたりしながら、昼間の活動時間を少しずつ増やしてみましょう。最初は体力や集中力が続かず、すぐに疲れを感じてしまうかもしれませんが、病み上がりなのですから仕方ありません。
その際、「まだ半日しか集中力がもたない」などと否定的に考えないようにしましょう。
ずっと横になっていることしかできなかった時から比べると大きく回復しているのですから。焦らず、治療を続けながら練習すれば着実にできるようになります。

復職を考えている方は、復職をサポートする「リワーク(復職)プログラム」を利用してみましょう。
リワークプログラムは障害者職業センターで実施されているほか、病院やクリニックでも実施しているところがあります。
障害者職業センターで実施されているリワークプログラムでは、個別に支援計画を作成し職場復帰に必要な生活リズムの改善や復帰後のストレスへの対処法とセルフケアの方法について学べるほか、パソコンや伝票を扱うデスクワークや立って行う軽作業など、実際の業務に近い作業プログラムを通じて職場復帰に向けたウォーミングアップを受けることができます。
また、本人と雇用事業主、主治医との相談を通じ、職場復帰のコーディネートを行っています。
リワークプログラムの期間は本人の状態やセンターによって異なりますが、3ヶ月程度のところが多いようです。詳しくは主治医や治療スタッフ、お住まいの地域の障害者職業センターに相談してみましょう。

パニック障害とは

パニック障害とは

パニック障害とは、不安障害の一種で、突然前触れもなく動悸、呼吸困難、めまいなどの発作(パニック発作)を繰り返し生じることで、将来の発作に対して過度の不安を覚えるようになり、外出などの社会生活が制限される病気です。
パニック発作はよくみられる症状で、1年間で少なくとも成人の11%が経験します、ほとんどの人は治療なしでパニック発作から回復しますが、少数の人はパニック障害に進行します。

パニック障害は12ヶ月間で人口の2~3%に発生する。
通常、パニック障害は青年期後期または成人期早期に始まり、女性の方が男性より約2倍多く罹患するといわれています。

パニック障害の症状

パニック障害の症状

パニック障害には、「パニック発作」「予期不安」「広場恐怖」「非発作性不定愁訴」などの代表的な症状があります。

パニック発作

パニック発作は突然激しい恐怖または強烈な不快感の高まりが数分以内でピークに達し、その時間内に以下の身体症状と精神症状のうち4つ以上が起こります。

  1. 動悸・心悸亢進・心拍数の増加
  2. 発汗
  3. 身震い・震え
  4. 息切れ感・息苦しさ
  5. 窒息感
  6. 胸痛・胸部の不快感
  7. 嘔気・腹部の不快感
  8. めまい感・ふらつき・頭が軽くなる、または気が遠くなる感じ
  9. 寒気・熱感
  10. 異常感覚(感覚麻痺)
  11. 現実感消失・離人感(自分自身から離脱している)
  12. 抑制力を失う・どうかなってしまうことに対する恐怖
  13. 死ぬことに対する恐怖
予期不安

発作が起きていないときに、「また発作が起きるかもしれない」と不安になることを予期不安といいます。
パニック発作は呼吸や心臓など生命に関係する事柄に関して症状が起きるため、このような不安が生じます。
不安が強いと、外出できなくなったり、電車やバスなど公共交通機関に乗れなくなることがあります。

広場恐怖

広場恐怖とは、すぐに逃げることのできない場所にいることを恐れることで、飛行機や電車などの公共交通機関の中や、トンネル・エレベーター・窓のない部屋などの閉鎖空間で強い恐怖感を感じたり、そのような場所に行くことを避けるものです。

非発作性不定愁訴

非発作性不定愁訴とは、パニック障害の急性期が過ぎて、症状も治まってきた時期にあらわれる残遺症状のことです。以下の症状が残ります。

  1. 頭痛、頭がくらくらする
  2. 視界がゆれる
  3. 胸が痛くなる
  4. 喉が詰まったような感覚や息苦しさ
  5. 胸が痛くなる
  6. イライラや気分の落ち込み
  7. じっとり汗をかく
  8. 食欲がなくなる
  9. 不眠 など

パニック障害の原因

パニック障害の原因

パニック障害の明確な原因は明らかになってはいませんが、最近の研究などから脳内神経伝達物質のバランスの乱れではないか、また精神的負荷などの環境要因、遺伝子の働きに関連した遺伝要因も関係していると考えられています。
予防や治療には心理的なサポートやストレス管理が重要なため、症状が現れた場合は、早めに医師や専門家に相談し適切な治療を受けることが望ましいとされています。

神経伝達物質との関連

脳内神経伝達物質では、セロトニンとノルアドレナリンが関係していると考えられています。
セロトニンはほかの脳内神経伝達物質の情報をコントロールし、精神状態を安定させる働きがあります。
またノルアドレナリンは、不安や恐怖感を引き起こし、血圧や心拍数を上げる働きをします。これらの神経伝達物質の働きに影響を及ぼす要因がある場合、パニック障害が発症しやすくなることがあると考えられています。
脳内神経伝達物質の乱れと聞くと、特殊な病気と思われるかもしれませんが、100人に3人程度の比率で、誰にでも起こりうる病気です。

遺伝的要因

パニック障害には遺伝的な影響も関係していると言われています。
親や兄弟などの近親者にパニック障害を持つ人がいる場合、発症するリスクが高くなる傾向があります。

環境要因との相互作用

遺伝的な要因がパニック障害のリスクを高める一方で、環境要因(ストレス、トラウマ、生活習慣、環境の変化など)がその発症や悪化に大きな影響を与えます。
強いストレスを受けたことが引き金となって発症することもあるため、環境的なストレスを減らすことは予防につながると考えられます。

パニック障害になりやすい人の特徴

不安が強い人

元々不安を感じやすい性格や心配性の人は、パニック障害のリスクが高いとされています。
特に先回りして不安を感じる予期不安が強い人は、発作のトリガーになりやすいです。

完璧主義や高い自己基準を持つ人

完璧を求めたり自分に厳しい人は、ストレスを感じやすく、心身の緊張が強い傾向にあります。
このような性格の人は、失敗や不確定な状況に対する不安が強くなりがちで、パニック発作を引き起こすリスクが高くなります。

環境的ストレスが多い人

日常的に強いストレスを抱えている人も、パニック障害を発症しやすくなります。
特に長期にわたるストレスや大きな環境の変化が、脳の不安に対する反応を増幅し、パニック発作につながることがあります。

生活リズムが不規則な人

睡眠不足や不規則な生活習慣も、パニック障害を引き起こしやすい要因です。
身体が十分に休息をとれていないと、自律神経が乱れやすくなり、不安感や緊張が増大し、パニック発作が生じるリスクが高まります。

過去のトラウマや心的外傷を抱えている人

過去にトラウマや心的外傷を経験した事がある人は、パニック障害になりやすい傾向があります。
特にPTSDを持つ人は、トラウマ体験のフラッシュバックが発作を誘発することがあります。

家族にパニック障害を持つ人がいる場合

パニック障害は遺伝的な要因も関係しているため、家族や親族に同様の障害を持つ人がいると発症リスクが高まる可能性があります。

アルコールやカフェインの過剰摂取

アルコールやカフェインは一時的にリラックスさせたりしますが、依存や摂取過多により不安や緊張を高めることがあります。
これが引き金となり、パニック発作を誘発することがあります。

低い自己肯定感や自信の欠如

自分に対する評価が低く、自信がない人も、周囲の状況や人間関係で不安を感じやすい傾向にあり、パニック障害を引き起こしやすくなります。

パニック障害の診断

パニック障害の診断

米国精神医学会(APA)の精神疾患の診断分類、DSM-5の診断基準があります。
重篤な身体的な病気によって、パニック発作と同じ身体症状や精神症状が引き起こされることも多くあるため、医師はまず身体的な病気がないことを確認します。
パニック症と診断されるのは、不意に理由なく起きるパニック発作に加えて、以下のいずれかが1ヶ月以上に繰り返し起こっている場合です。

  • パニック発作がまた起こるのではないかという持続的な心配、または発作の結果についての持続的な心配
  • パニック発作の原因になりうる状況を回避するなどの行動の変化

パニック障害の治療

パニック障害の治療

薬物療法

抗うつ薬

セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)やセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)は不安を軽減し、発作の頻度を減らす効果があります。

抗不安薬(ベンゾチアゼピン系)

即効性があり、発作を抑えるのに有効ですが、長期使用は依存のリスクがあるため慎重に使用されます。

Β遮断薬

清泊数の増加や震えといった身体的な症状を抑えます。

心理療法

認知行動療法(CBT)

清泊数の増加や震えといった身体的な症状を抑えます。

暴露療法

安全な環境下で恐怖を引き起こす状況や刺激に慣れる練習を行い、過剰な不安を和らげます。

パニック障害の対処・予防方法

専門医療機関への受診

精神科や心療内科に早めに受診し、専門医の助けを得ることが最善です。

規則正しい生活

バランスの良い食事、十分な睡眠と適度な運動が大事です。

ストレスコントロール

環境調整、瞑想、ヨガ、深呼吸法などリラックスを促します。

カフェインやアルコールの摂取制限

不安を悪化させる可能性があります。

家族や友人の理解

周囲の人々に病気について説明し、サポートをお願いする。

記事執筆者

溝口徹 画像

医療法人 回生會 理事長
みぞぐちクリニック 院長

溝口 みぞぐち とおる

所属・資格

  • 栄養解析医
  • 栄養解析レポート監修
  • 社)オーソモレキュラー栄養医学研究所 代表理事
  • 日本抗加齢医学会 評議員
  • 2018年国際オーソモレキュラー医学会 Hall of Fame
  • 2020年第2回日本オーソモレキュラー医学会総会 会頭
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