症例報告 CASE

50歳代女性 大腿骨頭壊死症

※イメージ画像
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患者データ

疾患
性別 女性
年齢 57歳歳
具体的な症状

大腿骨頭壊死症(両股関節骨頭壊死)

・初診時(12月)と同年7月に左足に違和感を感じ、他院にて両股関節骨頭壊死と診断をされる。
・筋トレをすすめられ取り組むが改善せず、徐々に痛みが増し足が地面に着けなくなる、歩行困難に。
・具体的な治療方法がなく骨頭置き換え手術を予定していた。

大腿骨頭壊死が進行した場合には、多くの場合には人工骨頭置換術によって壊死した部分を金属のパーツに入れ替える必要があります。
この患者さまも痛みのため荷重することができず、車椅子で受診され整形外科の主治医からは手術以外に治療法はないと説明されていました。
血液検査では骨や軟骨の形成に必要なビタミンDを始めとする多くの栄養の不足が示され、炎症を抑える薬剤を服用中にも関わらず炎症が抑えられていませんでした。

栄養療法では、骨や軟骨の再生に必要な栄養素を食事とサプリメントから供給するとともに、積極的に脂肪酸バランスを変えることによって炎症を抑え込み、さらに高濃度ビタミンC点滴を併用することにしました。
高濃度ビタミンCでは、サプリメントの経口摂取では得られないレベルまでビタミンCの血中濃度を上げることができます。
ビタミンCは炎症や損傷をともなう骨組織に効果的に作用し骨の新生を促します。

初期には高濃度ビタミンC点滴を併用し痛みの著しい改善が得られました。
レントゲンでも進行が抑えられ手術は回避することができ、その後も栄養療法を継続されたことによって筋肉量も増え日常生活で問題なくなるばかりではなく、ランニングまで可能になった患者さまの経過です。

初診時

投薬 ・リリカ
・ロキソプロフェン
検査データ

オーソモレキュラー栄養療法による解釈

・重度タンパク質不足
・腸由来の肝臓負担
・ビタミンB・ナイアシン不足
・鉄不足
・血糖値スパイク

当院でのオーソモレキュラー栄養療法による治療

生活習慣

◼︎食事
・グルテンカゼインフリー
・主食の糖質(お米)は緩やかに減らしていく
・タンパク質を3食意識し、補食でもタンパク質を補給
・急激な血糖の上昇を抑える為、甘いものや飲み物の制限

サプリメント ・ビタミンB群、ヘム鉄、ビタミンC、ビタミンD、脂溶性ビタミン複合体、痛みに特化したEPA製剤を医療用サプリメントで補充した
・高濃度ビタミンC点滴も併用
検査

初期は歩行困難や痛みがある為、経過診察を重ねながら5か月後に再検査

治療の経過

具体的な症状

・初診時よりサプリメントを処方し、一か月後には近所への買い物程度であれば歩行可能に
・3か月後には、ほぼ普通通りの生活が送れるようになるが歩行時に微細な股関節周りの痛みはあり
・経過良好の為、骨頭置換手術は中止となる
・その後も定期的に検査をし、1年半後には手指の違和感はあるものの走れるようになるまで回復

検査データ

解説

・約10か月間の治療期間にてBMIより体重の変化はなし
・体重の変化はないものの、CKの変化から筋肉量の増加があると判断される
・骨や軟骨の形成に重要なビタミンD3濃度が適正化
・痛みの軽減により投薬が不要となり、γ‐GTP、ALPなどから肝臓の負担が軽減していることが評価される
・糖質制限を基本とした食事方法の変更によって、グリコアルブミン値が適正化し血糖値が安定化している

サプリメントのリスク・副作用

サプリメントに含有されている各栄養素に対しておきるアレルギー
消化器症状(ムカつき、不快感など)

料金

初回基本セット 52,800円+α(必要に応じて追加検査代)
サプリメント代 20,000〜62,000円/月