乳がん | みぞぐちクリニック | 東京駅八重洲北口・日本橋駅5分

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乳がん

乳がんとオーソモレキュラー栄養療法

乳がんとオーソモレキュラー栄養療法

乳がんとオーソモレキュラー栄養療法

乳がんは乳腺に生じる悪性腫瘍であるため、脂肪組織に囲まれている特徴があります。
脂肪細胞は血管に乏しいため、血流によってがん細胞が運搬され遠隔臓器へ転移するよりも、乳腺組織に豊富なリンパ管を介した転移が多くなります。

栄養療法は、食事やサプリメントそしてがんの場合には高濃度ビタミンCを点滴する方法です。
つまり摂取した栄養素も点滴したビタミンCも吸収されたのちには、血流によって運搬され目的とする臓器、組織に到達します。
つまり乳がんの原発巣のように血流が乏しい組織では、通常よりも多くの栄養素が必要になります。

ところが乳がんだけでなく血流を介して転移する血行性転移のがんについては、種類に関わらオーソモレキュラー栄養療法による栄養素の効果がより得やすくなります。
乳がんの転移の場合には、骨・肺・肝臓などに多く新生血管というがんへの血流を供給する血管が存在するものになります。
また乳がんでもトリプルネガティブ乳がん(TNBC)やHER2陽性乳がんでは、早期から血行転移を起こしやすいと報告されているため、これらの乳がんの場合には早期からしっかりとオーソモレキュラー栄養療法に取り組まれることもお勧めです。

乳がんの場合には、ホルモン感受性が陽性の場合には、エストロゲン様作用がある大豆に含まれるイソフラボンの摂取を控えるべきという情報があります。
ところが、実際にはホルモン感受性が陽性であっても陰性であっても、大豆の摂取量が多いほど乳がんの再発率が低く、ホルモン感受性乳がんでの大豆摂取の安全性が示された研究があります。
(Shanghai Breast Cancer Survival Study)また乳がん患者の追跡調査にて大豆イソフラボンの摂取が多いほど乳がんの再発率が下がり、全死亡リスクも下がることが示されました。(Life After Cancer Epidemiology Study)

オーソモレキュラー栄養療法では、これらの結果から、乳がんの患者様にも大豆を原料としたプロテイン製剤やイソフラボンなどのサプリメントを必要に応じて摂取することをお勧めしています。

乳がんの治療料金(目安)

初回基本プラン
52,800円
初回基本プランに含まれるもの
・詳細な血液検査+栄養解析レポート
・診察料 5回分

※追加検査が発生する場合があります。追加検査の料金の詳細などは診療料金をご覧ください。

月々のサプリ代
3万円~6万円
乳がんとオーソモレキュラー栄養療法

一般的な治療法

乳がんとは

乳がんは、乳房内に発生する悪性の腫瘍で、女性に最も多く見られるがんの一つです。
乳がんは、乳腺の細胞が異常に増殖し、腫瘍を形成することで発症します。
がん細胞は、乳腺内で増殖するだけでなく、周囲の組織やリンパ節、さらには他の臓器にも転移することがあります。
早期発見と適切な治療が、転移や再発のリスクを減少させるために非常に重要です。定期的な検診や自己検査が推奨されています。

乳がんの原因

乳がんの原因

乳がんの原因は完全には解明されていませんが、以下の要因が関与していると考えられています。

女性ホルモン

エストロゲンやプロゲステロンが乳がん細胞の増殖に影響を与えることがあります。特にホルモン受容体陽性がんでは、これらのホルモンが直接的に増殖を促します。

遺伝的要因

遺伝子異常が乳がん発症リスクを高めることがあります。遺伝性乳がんは全体の約10%と言われています。

生活習慣

肥満、飲酒、喫煙、運動不足などがリスク因子とされています。また、食事の洋風化も乳がん増加の一因と考えられています。

その他の因子

初潮年齢が早い、閉経年齢が遅い、出産・授乳経験がないことなどもリスクを高める要素と言われています。

乳がんの種類

乳がんの種類

乳がんにはいくつかの種類があります。

乳房 断面図
1.組織型(病理型)
  • 非浸潤がん:がん細胞が乳管や小葉内に留まるもので、周囲の組織に浸潤していない(組織に広がっていない)段階です。(例:非浸潤性乳管がん)
  • 浸潤がん:がん細胞が乳腺の外に広がり、周囲の組織やリンパ節、さらには遠隔転移を引き起こす可能性がある状態です。(例:浸潤性乳管がん、浸潤性小葉がん、粘膜がんなど)
2.サブタイプ

乳がん細胞の遺伝子やタンパク質の特徴に基づき以下の4つに分類されます。

  • ホルモン受容体陽性乳がん:女性ホルモンで増殖する
  • HER2陽性乳がん:HER2タンパクの過剰発現
    ※HER2(ヒト上皮性腸因子受容体2)は細胞表面に存在するタンパク質で、過剰発現が起こると細胞増殖の制御が失われ、がん化につながる
  • トリプルネガティブ乳がん:ホルモン受容体もHER2も陰性のもの
  • 遺伝性乳がん:BRCA遺伝子変異によるもの
    ※BRCA遺伝子はDNAの損傷を修復し、細胞のがん化を防ぐ働きを持つ
乳がんの症状

乳がんの症状

乳がんの初期には、自覚症状がほとんどない場合が多いです。
しかし、進行するにつれて以下のような症状が現れることがあります。

  • しこり:乳房や脇の下に硬く不規則な形のしこりが触れることが最も一般的です。痛みがない場合が多いですが、痛みを伴うこともあります。
  • 皮膚の状態の変化:乳房の形状変化、皮膚の炎症、赤み、硬直などの変化が見られることがあります。
  • 胸壁のしこり:乳がんが進行して胸壁まで浸潤すると、胸壁にしこりを感じることがあります。
  • 乳頭の変化:乳頭の陥没、ただれ、びらん、茶色や血性の分泌物が出ることがあります。
  • リンパ節の腫脹:脇の下のリンパ節が腫れることがあります。これは転移が疑われる兆候の一つです。
乳がんの転移

乳がんの転移

がんが進行して、がん細胞がリンパ節や血流を通じて他の臓器に広がり、新たながん細胞の塊を形成することを転移といいます。

乳がんの転移が見られる臓器には、骨、肝臓、肺、脳などがあります。

乳がんの転移症状

転移しても無症状の場合もありますが、進行すると部位に応じて、骨転移による痛み、肺転移による息切れ、肺転移による腹部膨満感、脳転移による頭痛や視力障害などが現れることがあります。

乳がんの予防には、定期的な検診が重要です。
また、生活習慣の改善や遺伝的リスクを持つ人への早期介入が予防に繋がります。
肥満を避けることや、禁煙、適切な運動、バランスの取れた食事などが推奨されます。

乳がんの病期(ステージ)

乳がんの病期(ステージ)

乳がんの進行具合を示すために、「ステージ(病期)」が重要です。
ステージは、がんの大きさ、リンパ節への転移の有無、遠隔転移の有無によって決まります。
一般的に、ステージは以下のように分けられます。

ステージ0

非浸潤がん。腫瘍が乳管や小葉内に限局し、周囲組織には広がっていない状態(乳管内がん)。

ステージI

早期乳がん。腫瘍が2㎝以下でリンパ節に転移していない、または微小転移がある状態。腫瘍が乳房内に限局している。

ステージII

中期乳がん。腫瘍が2〜5㎝以下またはリンパ節に転移している場合。がんは乳房内または近くのリンパ節に留まる。

ステージIII

進行乳がん。腫瘍が5㎝以上で複数のリンパ節転移、皮膚や胸壁への浸潤がある場合。

ステージIV

遠隔転移乳がん。腫瘍が骨、肺、肝臓など多臓器へ遠隔転移している状態。腫瘍の大きさやリンパ節転移の有無は問わない。

各ステージに応じた治療法や予後が異なるため、早期発見・治療が重要です。

乳がんの検査、診断方法

乳がんの検査、診断方法

乳がんの検査、診断方法は、以下のように段階的に行われます。

  1. 視診・触診
    乳房の形状や左右差、しこりの有無を目視や手で確認します。
  2. マンモグラフィ
    乳房専用のX線検査で、石灰化や腫瘍を発見します。小さなしこりや早期がんのサインである石灰化を検出可能ですが、乳腺が発達している人では腫瘍が乳腺に隠れることがあります。
  3. 超音波検査
    超音波で乳房内の病変を画像化します。妊娠中でも使用可能です。
確定診断
  1. 細胞診
    細い針で細胞を採取し、良性・悪性を顕微鏡で調べます。
  2. 組織診
    太めの針を使用して組織を採取する「針生検」や「吸引式生検」で詳細な診断を行います。
全身精査
  1. MRI、CT、PET-CTなど腫瘍の広がりや遠隔転移を評価します。
  2. 骨シンチグラフィ:骨転移の有無を放射性薬剤を使って確認します。

これらの検査を組み合わせて乳がんの診断と治療方針が決定されます。

乳がんの治療

乳がんの治療

乳がんの治療は、がんの性質や進行度、年齢や健康状態に応じて決まります。
主な治療方法としては以下のようなものがあります。

手術

乳房部分切除術(温存手術):比較的初期の乳がんに適応。放射線療法と組み合わせて再発予防を行います。

乳房切除術(全摘術):がんの広がりが大きい場合に施行。希望に応じて乳房再建術を併用することもあります。

腋窩リンパ節郭清:転移が確認された場合にリンパ節を切除します。

放射線療法

手術後に乳房やリンパ節への再発予防を目的として実施されます。軽度の皮膚炎、倦怠感などの副作用が出ることがあります。

化学療法(抗がん剤治療)

術前に腫瘍を縮小させて乳房温存手術の適応を広げたり、切除不可能な腫瘍を手術可能にする目的、術後の再発予防や生存率向上を目的に行われます。
脱毛や骨髄抑制、吐き気、末梢神経障害(手足のしびれや感覚鈍麻)が起こることがありますが、個人差があり日常生活を維持しながら治療を進めます。

ホルモン療法

ホルモン受容体陽性の乳がん(エストロゲン受容体またはプロゲステロン受容体陽性、乳がん全体の約60-70%)に対して行われる治療で、ホルモンの働きを抑える薬が使われます。
ホットフラッシュや発汗などの更年期様の症状や骨密度低下、血栓症を起こすことがあります。
術後補助療法では通常5年間投与、再発リスクが高い場合は10年間継続することもあります。
長期間の治療となるため、定期的な診察と副作用対策が重要です。

分子標的治療

がん細胞特有の分子を標的にして攻撃する薬物療法で、正常細胞への影響が少なく、治療効果が高いのが特徴です。
HER2陽性乳がん(全体の約15~20%)の再発リスクを大幅に低下させ、生存率を改善しています。

転移とQOL(生活の質)

転移とQOL(生活の質)

乳がんの転移が進行すると、治療の副作用や症状が生活の質(QOL)に大きく影響を及ぼすことがあります。
転移した部位によっては、痛みや機能障害が生じるため、緩和ケアが必要となる場合もあります。

記事執筆者

溝口徹 画像

医療法人 回生會 理事長
みぞぐちクリニック 院長

溝口 みぞぐち とおる

所属・資格

  • 栄養解析医
  • 栄養解析レポート監修
  • 社)オーソモレキュラー栄養医学研究所 代表理事
  • 日本抗加齢医学会 評議員
  • 2018年国際オーソモレキュラー医学会 Hall of Fame
  • 2020年第2回日本オーソモレキュラー医学会総会 会頭
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