ブレインフォグ | みぞぐちクリニック

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ブレインフォグ

ブレインフォグとは

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「ブレインフォグ」とは、集中力の低下、物忘れ、思考のもやもや感など、まるで頭に霧がかかったようにぼんやりとしてしまう状態を表し、特定の病名ではありません。

最近、ブレインフォグは新型コロナウイルスやワクチンの後遺症として話題になることが多いのですが、以前は副腎疲労の症状として知られていました。
現代では多くの方がこの症状に悩まされていますが、その原因はさまざまで、アレルギーや腸内環境の悪化、血糖値の乱高下、慢性のストレス、栄養不足などが複雑に絡み合っていると考えられています。

オーソモレキュラー栄養療法では、身体や脳の機能を正常に保つために必要な栄養が不足していないか血液検査や唾液検査で調べ、食事やサプリメントで補うことで根本からの改善を目指します。
炎症を抑え、血糖調整、エネルギー代謝の調整、腸と脳のつながりをサポートすることなどにより、自然なかたちで「頭のスッキリ感」を取り戻すことができます。

ブレインフォグ イメージ

ブレインフォグ チェックリスト

以下の項目に思い当たるものがあるか、チェックしてみましょう。
※当てはまるものに「チェック」を入れてください(複数可)。

ブレインフォグセルフチェックリスト

チェックリストA
チェックリストB
判定
  • 「チェックリストA」のどれか一つに当てはまったらブレインフォグの可能性あり。
  • 「チェックリストA」には当てはまらず、「チェックリストB」のいずれかだけに当てはまった場合は、ブレインフォグ以外の可能性を考えます。
ブレインフォグをセルフチェック イメージ

オーソモレキュラー栄養療法におけるブレインフォグ治療のポイント

ブレインフォグに対する確立した特効薬はありませんが、当院を受診するブレインフォグの方には、以下のような共通した血液検査上の特徴がみられることが多く、それらを改善することが症状の回復につながります。

ブレインフォグ 原因と対策
1.血糖値の乱れ(特に低血糖)

グルコースやグリコアルブミン、1.5AG、インスリンなど糖代謝に関連するデータに問題が見られます。
血糖値のコントロールが難しくなり、糖質を摂ると血糖値が跳ね上がってその後急降下する血糖スパイクが見られ、低血糖になっていることが多いです。
低血糖でも高血糖でも脳の働きに悪影響がありますが、特に低血糖の際は血液中に細胞のエネルギー源となるブドウ糖が少ないため、ブレインフォグの症状が出やすくなります。
精製された糖を避ける、タンパク質や食物繊維を積極的に摂るなど、食事の取り方を見直します。

2.炎症を起こす因子の除去

炎症は脳の機能に悪影響を及ぼします。
また、糖代謝や血圧の乱れにもつながりますので、できるだけ炎症の原因を突き止め、除去してくことが重要です。
胃や腸の粘膜の炎症、アレルギー物質の暴露、アルコールやカフェインの摂りすぎ、ストレスなどが炎症の原因としてよくみられます。

3.栄養素の不足

エネルギー代謝やドーパミン・セロトニンなど脳内ホルモン合成に必要なビタミンB群やマグネシウム、免疫を調整して過剰な炎症を抑える作用があるビタミンDなどの栄養素を食事とサプリメントでいち早く理想的な水準に回復させることが症状の早期改善につながります。

ブレインフォグ治療のポイント イメージ

オーソモレキュラー栄養療法の検査

オーソモレキュラー栄養療法において、ブレインフォグの原因を評価するために有用な検査の一つが「副腎ストレス指数パネル(唾液検査)」です。
ストレスとホルモンのバランスの乱れがブレインフォグに関与しているかどうかを確認するために行います。

副腎ストレス指数パネルとは

副腎ストレス指数パネルとは、1日を通して4回採取した唾液中のホルモン(主にコルチゾールとDHEA)を測定する検査です。

副腎は、ストレスに対応するホルモン「コルチゾール」を分泌する臓器で、慢性的なストレスや栄養不足、睡眠障害などでその機能が乱れると、全身のホルモンバランスが崩れ、疲労感・集中力低下・不安・睡眠障害など、ブレインフォグの症状が現れやすくなります。

検査でわかること
  1. コルチゾールの日内リズム
    正常ではコルチゾールは朝高く、夜に向かって徐々に下がります。
    朝がだるく起きられない/夜眠れない、という場合、日内リズムの乱れが起こっていることがあります。
  2. コルチゾールの分泌量
    ・過剰分泌型(ストレス初期):イライラ、不安、睡眠障害
    ・低下型(副腎疲労):だるさ、意欲低下、ブレインフォグ、免疫低下
  3. DHEAの分泌量
    DHEAはアンチエイジングホルモンとも言われ、コルチゾールとのバランスが重要です。
    低下していると慢性疲労やうつ傾向、認知機能低下につながります。
ブレインフォグとの関係

ブレインフォグは、脳のエネルギー不足・炎症・神経伝達物質の乱れなどが原因とされますが、副腎機能の低下によって脳の働きが鈍くなるケースが多く見られます。
特に、長引くストレスによりコルチゾールが枯渇した「副腎疲労」の状態では、脳に必要なグルコース供給も不安定になり、ブレインフォグが起きやすくなります。

検査でわかること
  • 慢性的な疲労やだるさを感じている
  • 朝起きられない/夕方以降に元気になる
  • ブレインフォグが続き、改善が見られない
  • 睡眠に問題がある
  • 長期にわたるストレスを抱えている

副腎ストレス指数パネルは、ブレインフォグの背景にあるストレスホルモンのバランスを可視化できる重要な検査です。

ブレインフォグの症状や原因は一人ひとり異なります。
オーソモレキュラー栄養療法では、詳細な栄養状態やストレスホルモンのバランスを調べることで、個々に合った方法で状態の改善を図ることが可能です。

治療に関して疑問や不安に思うことは、いつでもお電話やメールでご相談いただけます。
また、無料カウンセリングもございますので、お気軽にお問い合わせください。

ブレインフォグ症例 イメージ

ブレインフォグの症例

ブレインフォグ症例 イメージ

疾患:ブレインフォグ

性別:男性

年齢:14歳

具体的な症状:

  • コロナワクチン接種2ヶ月後から腹痛・頭痛・胸痛、倦怠感、皮膚症状(アトピー、にきび、湿疹、蕁麻疹)悪化、食欲減少、ブレインフォグなど出現し、学校に行けなくなった。胸部レントゲン・心電図などに異常はなかった。
  • 乳児期からアトピー性皮膚炎

初診時

施行した検査

  • 栄養状態について詳細な血液検査(70項目以上)
  • 副腎ストレス指数パネル検査(唾液検査)
  • IgG食物過敏セミパネル検査
コルチゾール日内変動プロファイル

検査所見

  • コルチゾール分泌低下
  • 低コレステロール血症
  • 潜在的鉄欠乏
  • たんぱく質・ビタミンB群などの栄養不足
  • 消化酵素の分泌低下
  • 低血糖傾向
  • 小麦・乳製品・卵白などに対するIgG抗体反応

もともとアレルギー性疾患があり、コルチゾールの分泌が過剰になりやすい状態であったところにコロナワクチンの接種によりさらにコルチゾールの需要が増し、関連する栄養素が不足したことなどにより症状の発現につながったものと考えます。

当院でのオーソモレキュラー栄養療法による治療

食事指導

  • 糖質制限、グルテン・カゼインフリーを実施
  • 血糖値が下がり過ぎないよう、タンパク質を主とする補食を摂取するよう指示

サプリメント

鉄やビタミンB群、ビタミンDなどの栄養素を医療用サプリメントで補充

治療の経過

治療開始1ヶ月後:途中参加なら登校できるようになるくらいまで回復。食欲も出てきた。

2ヶ月後:朝起きられるようになり、胸痛はほとんどなくなった。休日は友人と遊ぶこともできるが、頭の回転はまだ鈍い。

10ヶ月後:たまに頭痛が起き、時々朝起きられないことがある程度まで回復、その他の症状はほぼ消失した。

検査データ
項目 治療前 4ヶ月後 7ヶ月後
MCV 79.3 85.8 87.5
ホモシステイン 9.2 7.0 12.4
グリコアルブミン 13.3 13.4 13.2
AST(GOT) 18 18 24
ALT(GPT) 11 13 13
乳酸脱水素酵素 160 163 162
総コレステロール 133 125 125
尿素窒素 14.3 14.5 11.4
ペプシノーゲン1 29.2 ND ND
25OHビタミンD 32.9 42.5 50.4
※ND:データなし

解説

通常用いる基準値による評価では栄養状態を評価することはできません。
オーソモレキュラー栄養療法では、本来あるべき理想的な栄養状態と比較することで不足している栄養素を選択します。

食事内容やタイミングの変更により低血糖状態の時間が減ったこと、腸内環境が改善したこと、医療用サプリメントにより鉄・ビタミンB群・ビタミンDを補給したことなどが症状の改善に寄与した可能性が高いと考えられます。

サプリメントのリスク・副作用

サプリメントに含有されている各栄養素に対しておきるアレルギー
消化器症状(ムカつき、不快感など)

ブレインフォグの治療の料金(目安)

ブレインフォグセット(初回基本プラン+副腎ストレスパネル検査+甲状腺セット)
99,000円+α(必要に応じて追加検査代)
初回基本プランに含まれるもの
・詳細な血液検査+栄養解析レポート
・診察料 5回分

※追加検査が発生する場合があります。追加検査の料金の詳細などは診療料金をご覧ください。

月々のサプリ代
20,000〜62,000円
ブレインフォグ 治療 イメージ

一般的な治療法

ブレインフォグとは

ブレインフォグとは「脳の霧」と言われることもあり、思考がぼんやりして集中できない、記憶力や判断力が低下しているように感じる状態を指します。
正式な疾患名ではなく、複数の症状の総称として用いられています。
以前からこのような症状は指摘されていましたが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の後遺症として多くの人に現れたことで注目されるようになりました。

特定の好発年齢があるわけではなく、子どもから高齢者まで幅広い年代で発症しますが、年齢が上がるほど症状が重くなる傾向があります。

ブレインフォグは、さまざまな疾患に併発することがあります。
代表的な疾患には下記のようなものがあります。

  • 慢性疲労症候群
  • 線維筋痛症
  • 更年期障害
  • うつ病や不安障害
  • 適応障害
  • 睡眠障害(不眠症・過眠症)
  • PMS(月経前症候群)、PMDD(月経前不快気分障害)
  • 注意欠如多動症(ADHD)
  • 自閉スペクトラム症(ASD)
  • 抗がん剤治療後(いわゆる「ケモブレイン」)
  • 慢性上咽頭炎
  • 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)

※新型コロナウイルス感染症から回復した後も、長期間にわたりさまざまな症状が続く状態をロングCOVIDと呼ぶことがあります。
WHOは「発症から3ヶ月以内に現れ、少なくとも2ヶ月以上持続し、他の病気では説明できない症状」と定義しています。
ロングCOVID患者の20~30%がブレインフォグを経験するとの報告もあり、数ヶ月から2年以上続くケースもあります。

ブレインフォグとは

ブレインフォグの症状

ブレインフォグの症状には下記のようなものがあります

  • 頭がぼーっとして霧がかかったように感じる
  • 集中力や思考力の低下、物事を考えるのが難しくなる
  • 物忘れや短期記憶の低下(最近の出来事が思い出せない)
  • 会話中に言葉が出てこない、相手の話が頭に入ってこない
  • マルチタスクや作業の優先順位付けができなくなる
  • 決断に時間がかかる、行動を始めるのが遅くなる
  • 頭が重い、冴えない、疲労感があるが身体的な疲れは少ない
  • イライラや不安感、感情の不安定さがある
  • 睡眠障害や日中の眠気、動作が鈍くなる

これらの症状は個人差があり、日常生活や仕事に支障をきたすことがあるため、治療をすることが推奨されます。

ブレインフォグの症状

ブレインフォグの原因

ブレインフォグには、複数の要因が関与していると考えられています。

  1. 炎症反応
    ウイルス感染や自己免疫反応によって脳内で慢性的な炎症が起こることがあり、これが集中力の減退などブレインフォグの症状を引き起こすと考えられています。
  2. 血流障害
    ウイルスなどの感染症によって脳の微小血管に障害が起き、酸素や栄養の供給が不十分になることが報告されています。
  3. 自律神経の乱れ
    自律神経が乱れると、交感神経(興奮・緊張)と副交感神経(リラックス・休息)のバランスが崩れます。
    交感神経優位の状態が続くと、脳が「過覚醒」状態となり、脳のエネルギーが消耗しやすくなります。これにより集中力や思考力が低下し、ブレインフォグの症状が現れます。
  4. 精神的・身体的ストレス
    職場や家庭でのストレス、不安、精神的な疲労が脳の働きを鈍らせ、集中力や思考力の低下を招きます。
  5. 睡眠不足・生活習慣の乱れ
    睡眠不足は、脳の回復や老廃物の除去が不十分になり、思考力や集中力の低下を引き起こします。
    また不規則な生活、運動不足も脳の回復を妨げ、ブレインフォグの原因となります。
  6. 栄養不足
    ビタミンB群やオメガ3脂肪酸などが不足するとエネルギーや必要な栄養素が脳に十分届かず、集中力や思考力の低下などの症状が現れます。
    また腸内環境の悪化によっても栄養吸収が妨げられ、脳に必要な栄養素が不足しやすくなります。
  7. 脳疲労・情報過多
    長時間のスマートフォンやパソコン使用、情報の過剰による脳への負荷も大きな要因となります。
ブレインフォグの症状

ブレインフォグの治療

ブレインフォグに対する確立した特効薬はありません。
一般的には以下のような治療方法が取られています。

  1. 休息・睡眠・ストレス管理
    睡眠不足やストレスが原因の場合、まずは十分な休息と生活習慣の見直しが基本となります。
  2. 薬物治療・心理療法
    うつ病や精神的要因が関与している場合、抗うつ薬やカウンセリングなど精神科的治療が有効なことがあります。
  3. TMS治療(経頭蓋磁気刺激)
    脳を時期で刺激し神経ネットワークを調整する新しい治療法です。特にうつ病や新型コロナウイルス感染症の後遺症に伴うブレインフォグで注目されています。
    副作用が少なく、お薬が合わない方にも選択肢となります。
  4. 上咽頭炎の治療(EAT療法)
    慢性上咽頭炎が隠れた原因の場合、耳鼻科的アプローチとしてEAT療法(上咽頭擦過療法)が有効な場合があります。
ブレインフォグの経過

ブレインフォグの経過は人によって異なります。多くの場合半年以内に治まりますが、1年以上症状が続くこともあります。
改善しても、ストレスや過労で再発することもあるので、普段から生活リズムを整え、ストレス管理やバランスのよい食事などを心がけることが大切です。

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