花粉症の治療はみぞぐちクリニック|栄養療法・ビタミンDで根本治療

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花粉症

花粉症とオーソモレキュラー栄養療法

花粉症をとりまく現状

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今や国民病ともいえる花粉症。その中でも4人に1人が患うスギ花粉の季節になると、花粉飛散の情報が頻回にニュースで流され、街はマスクやメガネで防御した人の姿で溢れます。
政府もこの問題を重くみて、スギ人工林を2割削減することを目標に伐採植え替えを加速化することや、民間事業者による花粉飛散の時期や量の予測程度を向上できるようAIによるデータ提供を行うなど、今や花粉症は個人に解決できる問題ではなく、国をあげて取り組むべき課題ということです。

私も、花粉症という言葉が生まれる前の幼少期から花粉症に悩まされ、春先になると鼻水と涙が止まらず、学校へ行く前に耳鼻科によって、鼻水を抑える薬をスプレーしてもらい、さらに眼科で目薬をもらってから登校するというのがこの時期の恒例となっていました。

花粉症のメカニズム

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花粉症は簡単に言えば、本来、人に悪さをしない無害な花粉を体が有害だと誤認して、それを排除しようと過剰に反応してしまうアレルギー反応の1つです。
アレルギー反応をもう少し詳しく説明しましょう。

私たちの体には、例えばウイルスや細菌など「抗原」と呼ばれる異物が侵入しようとすると、これを外敵と認識し、体を守るために攻撃して排除しようとする仕組み、いわゆる免疫システムが備わっています。
この免疫システムがなんからの理由で乱れて暴走すると、本来は体にとって無害な物質のうち、特に「アレルゲン」と呼ばれる物質に対しても反応を起こします。
その時、過剰に反応するあまり自分の体も傷つけることをアレルギー反応と呼びます。

アレルゲンの可能性を持っているものには、スギ・ヒノキ・ブタクサなどの花粉のほかに、ウイルスや細菌、カンジダなどのカビの仲間である真菌、殻類・卵・牛乳・大豆などの食べ物、猫や犬などペットの毛やフケ、ダニやハウスダストなどがあります。
このようにアレルギー疾患には花粉症の他にも、食物アレルギーやアトピー性皮膚炎、喘息などさまざまあり、日本人の2人に1人はなんらかのアレルギー疾患を抱えていると言われます。

免疫システムは、例えば鼻や目の粘膜から有害な物質が体内に侵入しようとすると、鼻水や涙を出し、それで有害物質をくるんで外に出そうとするわけです。
これがアレルギー反応です。

ほとんどの場合、アレルギー反応による症状は、目のかゆみや涙、鼻水、くしゃみ、皮膚のかゆみ、じんましんなど軽度なものですが、なかには生命を脅かすほどの深刻な健康被害をもたらすアナフィラキシーと呼ばれる反応を引き起こすことがあります。

このように、アレルゲンは異なっても、アレルギー反応の起こるメカニズムは同じであり、そのため、何かしらアレルギー症状のある人は別のアレルギー症状も併せ持っていることがよくあります。

つまり、アトピー性皮膚炎の人や食物アレルギーの人、あるいは喘息の人などは、花粉症になりやすいのです。
当然その逆も成り立ち、花粉症を完治させることで、他のアレルギー症状を軽減したり、完治することも可能だと言えるのです。

当院での花粉症の治療法

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コロナをきっかけに、マスクや手洗いも大事だけれど、感染を防ぐには自身の免疫力を高めることがもっとも重要であることを、多くの人が認識されることになりました。
当時アメリカ大統領だったトランプ氏が早々にコロナに罹患されたとき、一時は呼吸困難を伴う重篤な状態に陥ったものの、数日のうちに回復して公務に復帰し、世界中を驚かせました。その時の医師団が大量のビタミンDをトランプ氏に投与したことはご存知かと思います。
ビタミンDは骨を丈夫にするだけでなく、全身の免疫を調節する働きがあること、アメリカの医師団はわかっていたのです。

また、その頃、免疫力アップに重要な要素として注目されるようになったのが、善玉菌による腸内環境の改善です。
免疫の過剰反応を制御しているのが腸管であり、そこに棲む善玉菌は免疫に関して非常に有効な作用を持っています。
ですので、この善玉菌の働きを良くすることは、免疫力アップにつながり、花粉症をはじめとするアレルギー症状が改善します。

一般的な花粉症の治療は症状を抑える対症療法が主流です。
これでは根本治療にはなりませんから、完治しないのも当然です。また、近年スギ花粉に体を慣らしてアレルギー反応を起こさないようにする「アレルギー免疫療法」が注目されていますが、効果が出るのに数年かかるうえ、スギ花粉にしか効きません。
ヒノキやブタクサの花粉症のある人は全くの蚊帳の外です。

当院で行っている「オーソモレキュラー栄養療法」は花粉症を含むアレルギー症状に悩んでいるすべての人に効果のある治療法です。

簡単に言えば「体を構成している一番小さな要素である『分子』が異常を起こすために、免疫システムをはじめ体のあちこちの機能が低下し、花粉などのアレルギー症状や病気が起こる」ととらえ、「分子にたっぷり栄養を与えて本来の機能を取り戻させることで、もともと備わっている自然治癒力を引き出し、体の異常を治す」という栄養療法です。
いまの自分の体はこれまでに食べてきた物からできています。
今花粉症の症状が出ているということは、そういう体になるような物を食べてきたということです。
ということはこれから食べるものを変えれば体も変わるということ、つまり花粉に反応しない体になれるということです。たとえば、ビタミンDは日本人の98%に不足しているといわれています。そのビタミンDをたっぷりとれば、免疫力が上がってくることは想像に難くないでしょう。

また、ここ数年でより理解の進んだことに、花粉症をはじめとするアレルギー症状は、基本的には目や鼻、喉、腸などの粘膜の機能破綻によって起こりますが、皮膚のバリア機能の破綻も大きく関わっていることが分かってきました。
つまり、花粉が皮膚につくだけでも花粉症になることがあるのです。
この皮膚のバリア機能を高めるのにビタミンAが有効です。ビタミンAは皮膚のバリア機能を高めるだけではなく、腸内環境を整えるなど、ビタミンDに匹敵するほどの免疫強化作用を有しています。

しかも、ビタミンDとAを併用することで相乗効果が生まれ、より高い効果を発揮します。特に重要なのは免疫細胞に対する働きです。花粉症をはじめとするアレルギーは自己免疫が暴走することで起こりますが、ビタミンDとAはリンパ球の暴走を抑え、免疫システムを調整する役割を担っています。
他にもビタミンAは全身の細胞の成長促進や制御に関わっており、胎児から成人まで人体の健康維持において不可欠な存在です。
詳しくは『最新版花粉症は1週間で治る!』(さくら舎)にも執筆していますのでお手に取って頂ければ幸いです。

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「栄養療法」と聞いて、制限が多そうでいやだなと思われた方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、オーソモレキュラー栄養療法の基本理念は体に必要な栄養素を理想的なレベルまで供給するというもの。
むしろ「体の分子の材料になるお肉をもっとしっかり食べましょう」というように食べて治すことを目指す療法ですから、ひもじい思いをすることはありません。
控えるのはせいぜい体に必要な栄養素の働きを邪魔する糖質と腸内環境を悪化させるカゼインとグルテンくらいです。

私自身もこの方法で完治し、沢山の人たちが花粉症克服に成功されています。
しかも花粉症だけではありません。他のどのようなアレルゲンや病原菌に対しても強い体を作ります。
オーソモレキュラー栄養療法が優れているのは、体を理想的な状態につくりかえていくので、様々な病気や症状の予防・改善に効果のあることです。

このように、
足りない栄養素をしっかり補給して芯から花粉に強い体をつくる。
これが当院のアプローチです。

患者様に今一番足りていない栄養素や量を判断するため、採血をし、通常の検査では行わない70項目を超える詳細なデータを出し、そこから患者様一人一人に必要な栄養素やその量を判断し、サプリメントを処方します。ですから、同じ花粉症でも患者様によって処方する栄養素や量は変わります。
また、枯渇している栄養素を補充する為、通常厚生労働省で言われている摂取基準を大幅に超える量を処方する場合もありますが、定期的に採血をすることで医師が体のバランスを見ていますのでご安心ください。

また、当院で利用しているサプリは私が監修しており、食品を基本として作られていますので食品の栄養を凝縮しているものと考えてください。
もともとは市販さているサプリで治療をしていた時期もありましたが、思った通りの効果がでないものもあり、体に作用する形で作られていないことが分かり、本当に治療にあった信頼できるサプリを自身で監修することにしました。

オーソモレキュラー栄養療法で花粉症に悩まされる人が日本から減り、体の芯から健康になる人が一人でも増えることを望んでいます。

花粉症の料金(目安)

初回基本プラン
52,800円
初回基本プランに含まれるもの
・詳細な血液検査+栄養解析レポート
・診察料 5回分

※追加検査が発生する場合があります。追加検査の料金の詳細などは診療料金をご覧ください。

月々のサプリ代
2万円~6万円

一般的な治療法

花粉症とは

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アレルギー性鼻炎は通年性アレルギー性鼻炎と季節性アレルギー鼻炎(花粉症)に分類されます。

通年性アレルギー性鼻炎はダニ・真菌、ペットの毛などをアレルゲンとする即時型アレルギー疾患です。原因となるアレルゲンの多くはダニです。

通年性アレルギー性鼻炎の鼻症状はくしゃみ、鼻漏、鼻閉、鼻の痒みです。
鼻閉に伴う頭痛もみられます。鼻症状以外にも眼症状(痒み、充血、流涙)、皮膚の痒み、咽頭の痒み、咳喘息あるいは喘息の悪化などさまざまな症状を伴います。眼症状は花粉症より低頻度であるが、喘息やアトピー性皮膚炎の合併率が高く、喘息や皮膚の痒みは高頻度にみられます。

花粉症はスギやヒノキの花粉をアレルゲンとする即時型アレルギー疾患です。
花粉症の鼻症状はくしゃみ、鼻漏、鼻閉、鼻の痒みであるが、鼻症状以外にも眼症状(痒み、充血、流涙)、皮膚の痒み、咽頭の痒み、咳喘息あるいは喘息の悪化、睡眠障害、全身倦怠感などのさまざまな症状を伴います。

現在、日本人のおよそ4人に1人が花粉症だと言われています。

花粉症の症状

花粉症の症状が現れやすいのが、鼻と目です。鼻の三大症状と言われるのが、くしゃみ、鼻水、鼻づまり。
こうした症状は、風邪と間違われやすいのですが、風邪であれば1週間程度で治るのに対し、花粉症は花粉が飛んでいる間は続くこと、さらさらとした水っぽい鼻水が流れることといった違いがあります。
一方、目の三大症状と言われるのが、目の充血、流涙、目がかゆいなどです。

このほか、のどの痛み、体がだるい、熱、イライラする、喉や顔、首がかゆい、集中力が低下するといった全身症状を伴うこともあります。

花粉症の原因

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花粉症の約70%はスギ花粉症だと考えられています。
これはわが国には全国の森林の18%、国土の12%をスギが占めているためでもあり、関東や東海地方ではスギが中心になります。
また、関西ではスギと並んでヒノキも植林面積が広いため、ヒノキも要注意です。一方、北海道にはスギやヒノキが少なくシラカンバ属(カバノキ科)が多いという特徴があります。

くしゃみ、鼻水、鼻づまりにしても、目のかゆみ、充血、流涙にしても、いずれも入ってきた花粉を取り除こうとすることで生じるアレルギー反応です。
花粉が目や鼻から入ってきて、体内の免疫システムによって「異物=敵」とみなされると、敵に対抗するための抗体(IgE抗体)がつくられます。このIgE抗体は花粉に接触するたびにつくられるため、少しずつ体内に蓄積されていきます。

蓄積量があるレベルに達すると、次に花粉が入ってきたときに、アレルギー反応を起こすヒスタミンなどの化学物質が分泌され、くしゃみや鼻水、鼻づまりといった花粉症の症状を起こすのです。

去年までは全然大丈夫だったのに急に花粉症になった・・・それは、これまでに蓄積されていたIgE抗体が一定量に達してしまったからなのです。

花粉症の代表的な原因植物
1月の花粉 ハンノキ
2月の花粉 スギ、ハンノキ
3月の花粉 スギ、ハンノキ、ヒノキ、シラカンバ
4月の花粉 スギ、ハンノキ、ヒノキ、シラカンバ
5月の花粉 カモガヤ、シラカンバ
6月の花粉 カモガヤ、オオアワガエリ、シラカンバ
7月の花粉 オオアワガエリ
8月の花粉 オオアワガエリ、ブタクサ、カナムグラ
9月の花粉 ススキ、ブタクサ、ヨモギ、カナムグラ
10月の花粉 ススキ、ヨモギ、カナムグラ
  • スギ(2月~4月):本州、四国、九州の山中に分布する。花粉症の原因植物の代表格。
  • ヒノキ(3月~4月):本州の福島以南と四国、九州に分布する。スギ花粉に似たアレルギー物質を持つ。
  • イネ科:カモガヤ(5月~6月)、オオアワガエリ(6月~8月)、ススキ(9月~10月)など。
  • ハンノキ(1月~4月):日本全土に分布し、森や湖などの湿地に多い。
  • シラカンバ(3月下旬~6月):北海道や本州の中部以北に分布している。スギ花粉症がほとんどない北海道ではシラカンバ花粉症が多い。
  • ブタクサ(8月~9月):東北以北は少ないが、日本全域に分布する。秋の花粉症の代表格。
  • ヨモギ(9月~10月):日本全域に分布する。
  • カナムグラ(8月~10月):日本全域に分布し、特に関東地方に多い。
花粉症症状を悪化させる黄砂やPM2.5

黄砂は、中国内陸部やモンゴルの砂漠地帯・黄土地帯から吹き上げられた多量の砂やちりが、偏西風にのって飛んできたものです。日本へ飛んで来る間に、そこへ大気汚染成分やカビ、細菌といったアレルギーの成分が付着します。

黄砂は花粉よりも粒子が細かく、吸い込むと肺の末端まで入ってしまうことから、花粉症をより重症化させる懸念があるとされています。

PM2.5とは直径が2.5μm以下の非常に小さい大気汚染物質です。成分としては炭素、硝酸塩、硫酸塩などのほか、二酸化ケイ素、酸化アルミニウムなどの無機元素など。その小ささのため、吸い込むと気管支の奥まで入り込み、気管支炎などを引き起こす原因となります。
さらに炎症部位に花粉などのアレルギー原因物質が付着することで、花粉症もあわせて引き起こしてしまいます。

花粉症の診断 イメージ

花粉症の診断

「花粉症かな?」と思ったら、自分で判断する前に、近くの医療機関におかかりください。
花粉症を起こしている原因植物も、症状の出方も人によってさまざまです。
まずは原因を探り、自分に合った治療方法を見つけることが大切です。
本当に花粉症なのか、花粉症であるなら何が原因なのかは下記の検査によってわかります。

  • 血中IgE検査
    血液検査には、血中の総IgEが多いか少ないかを調べる検査と、花粉に反応するIgE(特異的IgE)を調べる検査があります。
  • 皮膚反応検査
    皮膚の表面を少しひっかき、花粉のエキスで刺激して、その反応をみるというテスト。
  • 鼻粘膜誘発テスト
    原因と考えられる花粉エキスがしみ込んだ紙を鼻の粘膜に貼り付け、反応をみるテスト。
    このほか、花粉のエキスを点眼して目の反応をみるテストや、目の粘膜などをブラシを使ってとり、アレルギーを起こす白血球がないか顕微鏡で観察する検査などを行うこともあります。
花粉症の治し方 イメージ

花粉症の治し方

花粉症の治療には、症状を抑える「対症療法」と、完全に治すための「根治療法」があります。

  • 対症療法:内服薬、点鼻薬、点眼薬、注射薬を使った薬物療法、レーザー手術
  • 根治療法:免疫療法
薬物療法
  • 抗ヒスタミン薬
    薬剤治療のベースとなるのが、「抗ヒスタミン薬」。ヒスタミンの働きをブロックし、くしゃみや鼻水、鼻づまりといった症状を抑えてくれます。
    これまでは「花粉症の薬は眠くなる」と言われがちでしたが、眠気などの副作用が軽減された「第2世代抗ヒスタミン薬」が登場し、今ではこちらが主流になりました。
  • 抗ロイコトリエン薬
    ロイコトリエンは、ヒスタミンと同じようにアレルギー反応を起こす化学物質です。
    特に、血管を拡張させる作用がある(=粘膜が腫れて鼻づまりを起こす)ため、このロイコトリエンの働きを抑制する「抗ロイコトリエン薬」は鼻づまりが強い時に使われます。
  • 鼻噴霧用ステロイド薬
    くしゃみや鼻水などの鼻の症状が強い時に使われます。
    「ステロイド=副作用が強い」というイメージがあるかもしれませんが、「鼻噴霧用ステロイド薬」は鼻だけに効くようにつくられているため、副作用は少なくて済みます。

このほか、目の症状に困っている場合には、「点眼用抗ヒスタミン薬」「点眼用遊離抑制薬」「点眼用ステロイド薬」などが使われます。

  • ステロイド注射
    花粉症のつらい症状を抑え込むための治療法です。副腎皮質ステロイドには強力な抗炎症作用があります。
    花粉症に用いられるステロイド注射(ケナコルトA)は、体内に長期間とどまるタイプなので、1回注射をすると、約2~3ヶ月間効果が持続します。しかし、この治療に関しては重大な副作用のおそれがあるため、厚生労働省のホームページで注意を促しています。
    日本耳鼻咽喉科学会でも「アレルギー性鼻炎の治療にステロイド注射を用いることは推奨しない」と声明を出しています。
    ステロイド注射の副作用で代表的なものは、感染症、胃潰瘍など消化器の潰瘍、糖尿病、高血圧、緑内障、生理の異常などです。
    また、高血圧、糖尿病、感染症、緑内障、白内障などがある人は、これらの病気を悪化させるおそれがあるため、ステロイド注射を受けることはできません。
  • ノイロトロピン注射
    ノイロトロピンは生物から産生されるたんぱく質などの物質を応用して作られたバイオ医薬品です。
    自律神経の安定作用があるといわれており、体に大きな負担をかけることなく、副作用や依存性も少ないといわれています。
    どのような仕組みでその薬が効果を発揮するのかは不明で、即効性は期待できません。
  • ヒスタグロビン注射(非特異的減感作療法)
    ヒスタグロビンもバイオ医薬品の1つで、ヒトの血液を原材料としています。
    ヒスタグロビンを使う非特異的減感作療法は、アレルギー性鼻炎全般の治療薬となっています。
    週に1、2回注射を打つために通院が必要ですが、治療効果が認められるまでに時間がかかります。
    他の薬や免疫療法と併用されることが多く単独での使用はあまりありません。この治療法もどのような仕組みで薬が効果を発揮するのか不明です。
  • ゾレア皮下作用(一般名:オマリズマブ)
    ゾレア皮下注はヒト化抗ヒトIgEモノクローナル抗体製剤です。
    この薬はヒトIgE抗体がIgE受容体と結合する「Cε3」という部分に特異的に結合する性質を持っています。
    Cε3に結合することで、ヒトIgE抗体はマスト細胞や好塩基球の細胞膜表面に存在するIgE受容体のサブユニット(FcεR1)に結合できなくなり、アレルギー反応が阻止されます。
    2019年12月に、抗ヒスタミン薬などの既存治療では症状を十分にコントロールできない重症の花粉症の方も保険診療でこの薬が使えるようになりました。
    適応に関してはかかりつけの耳鼻咽喉科専門医・アレルギー科専門医にご相談ください。
花粉症の薬物療法 イメージ
手術による治療

手術はおおまかに3つの選択肢があります。いずれもかかりつけの耳鼻咽喉科・頭頚部外科の医師と相談して、症状と重症度に合わせて決めていきます。

  • 鼻粘膜変性手術
    鼻の中の粘膜をレーザーなどで処理することによりバリアを作り、花粉がついても反応を起こさなくする手術です。粘膜が縮まるため、鼻の中の空間が増え鼻づまりも軽くなります。体質的に一度手術をしても1~2シーズンで元の状態に戻ってしまう場合もあります。
  • 鼻腔形態改善手術
    鼻の構造を適切なものに変える手術です。鼻炎が悪化して重度の鼻づまりが続き、従来の治療では回復しない場合に行われます・鼻粘膜のボリュームを減らしたり、鼻の中を広くすることにより、空気の通り道を増やし、鼻づまりを解消することにつながります。
  • 鼻漏改善手術
    レーザー治療が効かなかった方も含めて、重度の鼻水に対する新しい手術方法です。下鼻甲介にある副交感神経と知覚神経を部分的に切断し、鼻水そのものを出ないように抑える効果があります。鼻内経由の後鼻神経切断術は、従来の神経切断手術に比べ、涙腺や知覚に与える影響が少なく、最小の損傷で高い効果が期待できます。
免疫療法
  • アレルゲン免疫療法
    根治療法として期待されているのが、「アレルゲン免疫療法」です。花粉症の原因となっている物質(=アレルゲン)を皮下注射で少ない量から取り入れ、徐々に増やして、免疫を獲得しようという治療法。週に2~3回通院して行います。花粉に反応する体質自体を変えていこうという考えです。
    治療には2~3年かかりますが、花粉症が治り得る唯一の治療と一般的には言われています。
  • 舌下免疫療法
    これまでは注射で行われていましたが、最近ではもっと手軽な「舌下免疫療法」に関心が高まっています。
    2014年1月には、国内初となるスギ花粉症を対象としたアレルゲン免疫療法薬「シダトレンスギ花粉舌下液」が厚生労働省の承認を受けました。
    舌の裏側に薬を滴下し、そのまま2分間待ってから飲み込むというもの。注射のように痛みもなければ、頻繁に通院する必要もありません。(通院は1ヶ月に1回ほど)
花粉症における鼻や目のケア
  • 鼻の洗浄
    鼻に入り込んだ花粉やホコリなどは、洗い流すのが効果的です。
    ただし、水道水は塩素などを含んでいて鼻の粘膜を傷つけてしまうので、体液に近い組成の市販の生理食塩水を利用してください。
  • 鼻の粘膜の保護
    繰り返して鼻をかむと鼻が荒れますので、荒れてしまったら白色ワセリンなどを塗ってください。
    保湿ティッシュペーパーで鼻をかむことも有用です。
  • 室内の加湿
    鼻腔に炎症があると粘膜機能が低下するので、室内を加湿して水分を補ってください。
    空気が乾燥している時はマスクが有用です。
  • マスク
    マスクは、花粉の飛散の多いときには吸い込む花粉をおよそ3分の1から6分の1に減らし、鼻の症状を少なくさせる効果が期待されています。
    ただし、風が強いとマスクをしていても鼻の中に入る花粉は増えます。マスクをしていても完全防備にはならないので過信は禁物です。
  • 目の洗浄
    花粉やホコリなどの異物は、洗い流すのが効果的です。
    ただし、目は表面が涙で守られており、水道水で目を洗うことで細胞が傷つくことがあり、また涙も洗い流してしまうので、市販の人工涙液を利用してください。
  • 目の疲労の回避
    長時間にわたりテレビを見続けることやパソコンで作業を続けることは、目に負担をかけてドライアイなどの原因になるだけでなく、めまいや頭痛、睡眠障害などの心身に健康障害があらわれるVDT症候群(visual display terminal syndrome)を招いてしまいます。
    目から画面(モニター)まで50cmくらい離すようにして、1時間見続けたら15分間程度の休憩を設けてストレッチなどで身体をほぐすようにしましょう。
    また、目に炎症があるときはそれだけで目に負担をかけるので、コンタクトレンズの使用を控えて眼鏡をかけ、意識的に目を休めてください。
    目に限りませんが、規則的な生活を送って十分な睡眠とバランスのよい食事を心がけてください。
花粉症の対策 イメージ

花粉症の対策

  • 花粉情報
    最近は花粉飛散時期にはインターネットやテレビ・ラジオのニュースで花粉飛散予測が報じられます。外出せざる得ないときには事前に花粉情報から対策を立ててください。 下記、花粉が多く飛びやすいときには外出を控えるなど対策する。
    雨の日と雨上がり:花粉は雨が降れば地面に落ちますので雨の日は飛散量が少なくなりますが、雨が上がると遠くから飛散する花粉に加えて地面の花粉も巻き上げられますので、飛散する花粉は倍増します。
    朝と夕方:一般に花粉は通勤・通学時間帯にあたる朝と夕方に多く飛散する傾向があります。日の出から時間とともに気温が上昇するにつれて花粉も目や鼻の高さに浮遊しやすくなることや、夕方にかけて気温が下降するにつれて上空にあった花粉が降りてくると考えられます。
    (地形や建造物、地域により差があり、1日で最も気温が上昇する13~15時ころに飛散量が増える場合もあります)
  • 花粉対策の服装
    花粉は全身に付着しやすいので、頭髪は帽子で、目や鼻は眼鏡やマスクで、首はマフラーやスカーフで付着を防ぎ、花粉が付着しにくいような表面がツルツルした上着を選びましょう。
  • 帰宅時の対策
    家の中に花粉を持ち込まないように玄関前で花粉を払い、すぐに着替えて外気に露出した顔などを洗い流しましょう。

記事執筆者

溝口徹 画像

医療法人 回生會 理事長
みぞぐちクリニック 院長

溝口 みぞぐち とおる

所属・資格

  • 栄養解析医
  • 栄養解析レポート監修
  • 社)オーソモレキュラー栄養医学研究所 代表理事
  • 日本抗加齢医学会 評議員
  • 2018年国際オーソモレキュラー医学会 Hall of Fame
  • 2020年第2回日本オーソモレキュラー医学会総会 会頭
  • 栄養療法ブログ
  • スタッフブログ
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