「食事をかえたら、発達障害がよくなった」と反響続々!
「発達障害は食事と関係している?!」と驚かれたかもしれません。現状、発達障害は薬の服用と療育がメインの対応となっています。
しかし、欧米では1960年頃から自閉症や発達障害と食事、つまり栄養の関係が注目され、さまざまな食事療法がおこなわれてきました。
私たちの体はすべて口にした食べ物からつくられています。それは体だけでなく、脳や心も同じです。
このような考え方をもとに、薬に頼らず栄養素を使ってさまざまな病気の治療を行うのが、「オーソモレキュラー栄養療法」です。
著者(溝口徹)は2003年に日本で初めてオーソモレキュラー栄養療法を専門とするクリニックを開院して以来、多くの患者様の体や心の不調を、食事の見直しやサプリメントによる栄養補充で改善してきました。
当初はうつやパニック障害といった精神疾患の患者様が多かったのですが、近年は発達障害の患者様が増えています。お子さんだけでなく、大人の発達障害の患者様も多くいらっしゃいます。
ひと口に発達障害といっても、いろいろなタイプに分かれます。
しかし、オーソモレキュラー栄養療法では発達障害の診断名はそれほど重要視していません。
それより個々に不足している栄養素を知り、「その個人個人にあった食べ方」をすることで困った症状を改善するというアプローチを行います。「落ち着きがない」「すぐに気が散る」「友達と関わるのが苦手」といった発達障害の「困った症状」は、実は「栄養トラブル」と大きく関わっています。
自分がどの栄養トラブルに該当するのか、当書のチェックリストから傾向を知ることができます。
栄養トラブルタイプには、低血糖症タイプ、ビタミンB不足タイプ、消化管不良タイプ、ナイアシン不足タイプ、鉄不足タイプ、DHA不足タイプがあります。タイプ別の対策方法に関しても記載されています。
この本ではまず1章で発達障害の12の特性を6つの栄養トラブルにわけ、それぞれのタイプについて詳しく解説しています。
2章では、不足している栄養をとるためのレシピを紹介しています。
3章では、どのタイプの人にも共通する、食事や生活習慣の改善ヒントをまとめました。
4章では大人の発達障害について触れています。
また、この本で紹介する食事法を実践する際、家庭でどのようにおこなえばいいのか、発達障害児教育専門家の攪上(かくあげ)雅彦氏・理恵氏からのアドバイスを紹介しています。
この本を通して、栄養がいかに私たちの心と体に影響を与えているかを知っていただき、日々の食事を見直すことで、発達障害の「困った」が解決することを願っています。
《目次》
1章 その「困った症状」には栄養が関係していた!
・発達障害の「診断名」にとらわれないほうがうまくいく
・ヒントは発達障害の「特性」に合わせた食べ方にあります
・発達障害と栄養の関係が一目瞭然! 「特性別栄養チャート」…
2章 発達障害が良くなる毎日ごはん
・栄養たっぷりの発達障害がよくなるレシピ
「基本のたんぱく団子 +アレンジレシピ」「肉・豆腐のおかず」「おやつ」
・主食よりもおかずメインに考えましょう
・食べるなら、どんな主食がおすすめ?…
3章 発達障害がよくなる毎日の習慣
・発達障害改善のための5つのポイント
・アレルギーを防ぐたんぱく質のとり方
・善玉菌を増やす2つの方法…
4章 見逃されやすい「大人の発達障害」
・大人になってから発達障害に気づくことも
・実はうつではなく、発達障害だった!?
・オーソモレキュラー療法の可能性…