症例報告 CASE

43歳 女性 低血糖症 うつ病 パニック障害

患者データ

疾患
性別 女性
年齢 43歳(発症時:36歳)
具体的な症状

■身体情報
身長:162㎝ 体重:52㎏

■受診までの経過
36歳頃から下記の諸症状を自覚するようになった。
・強い疲労感をともなう抑うつ感
・突然生じる 動悸、めまい、ふるえ、不安感

心療内科でうつ病、パニック障害と診断され投薬治療が開始されたが効果なく薬を漢方薬に変更した。

症状が甘いものを食べると改善することを実感し低血糖症を疑い検索しクリニックを受診した。

5時間糖負荷検査の結果と解説

正常な5時間糖負荷検査の結果

空腹時血糖75㎎/dl、HbA1c5.1%であり血糖値は正常と言われてきた。
75gブドウ糖を摂取したところ血糖値が急上昇し、60分後には214㎎/dlとなり強い血糖値スパイクを認めた。
その後、血糖値は急激に低下し180分後には50㎎/dlまで低下した。

この検査時間中の自覚症状

  • 195分:急に意識が遠のくようになってきた。音もきこえにくい。体の力が全然入らない。
  • 205分:手が震えてきて、体がぬけるようにだるい。汗がでてきた。

5時間糖負荷後の感想

  • パニック障害と診断されていた多くの症状が、血糖値の変動にともなって生じている可能性が5時間糖負荷検査によって示されて良かった。
  • 原因は不明でパニック障害とだけ診断され処方された薬を飲むだけだったが、これからは自分で食事の工夫などで対応ができるかもしれないと思った。
  • 頓服を使用していたような辛い症状でも、検査中は薬が飲めないので我慢していたら、20分ほどで自然に改善することを経験できたことも良かった。

当院でのオーソモレキュラー栄養療法による治療

生活習慣

■食事指導
血糖が急激に低下する時間帯に多くの症状を認めるため食事の変更が重要になる。

血糖の急な上昇を控える
・タンパク質、脂質、食物繊維などを食事の前半に摂取し、糖質を食事の最後に摂取する
・糖質の摂取量を検査データなどを参考に決定

低血糖を起こす前の補食
・食後2~3時間にナッツなどの食材にて補食を行う
・夜間低血糖を防ぐため、就寝前に脂質・タンパク質などを摂取

サプリメント 詳細な栄養解析の検査結果から食事の変更だけでは補正が困難と思われる栄養素をサプリメントにて補充
・ヘム鉄 亜鉛
・ビタミンB群 、ナイアシンアミド
・ビタミンD
・ビタミンC
・プロテイン

治療の経過

具体的な症状

・食事の変更とサプリメントの服用により明らかな症状の改善を実感
・2ヶ月後より頓服をほとんど使用しないで済むようになった
・主治医と相談しながら、心療内科の薬を徐々に減薬中
・疲れにくくなり、頭もはっきりしてきて気分がよい

サプリメントのリスク・副作用

サプリメントに含有されている各栄養素に対しておきるアレルギー
消化器症状(ムカつき、不快感など)

料金

初回基本セット 52,800円+α(必要に応じて追加検査代)
5時間糖負荷検査 24,200円
サプリメント代 20,000〜62,000円/月