溝口徹の栄養療法ブログ DOCTOR BLOG

2021.09.17

そろそろ冬季うつの季節です。

気温の低い日が続きいよいよ夏が終わりを迎えています。
ついこの間までクリニックが終わってもまだ明るかったのが今ではすっかり暗くなっていますね。
日照時間が段々と短くなってくるこの頃からメンタル面で変化を感じる方が増えて来る頃です。季節の変動によりうつ症状がでる事を「冬季うつ」と言ったりしますが正式には季節性感情障害といいます。
この冬季うつは通常のうつ病の症状とは少し異なり
・11月末頃から始まり、多くは1月中頃から改善するような季節性の変動がある
・体重の増減が大きい
・甘いものや糖質を食べたくなる
・夕方の方がうつ症状が強くなる
・風邪をひきやすくなるなど免疫が低下する
冬季うつといわれる症状には、通常のうつ病の症状と異なり「意欲低下や思考が進まない」「倦怠感がある」などの抑制症状が中心で、憂うつ感などの抑うつ症状はあまり目立ちません。睡眠時間の増加については夜の睡眠時間の延長と日中の眠気の増加が同時に起こること、食欲亢進については糖質に対して起こるのが特徴的で、白米やパン、パスタの他にチョコレートなどの菓子類を好み、午後から夜にかけて増強する傾向があります。
沢山食べようとしてしまい、何だか動きたくなくなってしまう。
まるで冬眠に備えて脂肪を蓄えている熊さんのようですね。
人間も動物ですから季節によって生理機能に変化が起きるのは当たり前と言えば当たり前なのかもしれないです。
これまでビタミンDは骨を丈夫にする働きが広く知られていましたが、2000年を過ぎてからは、骨代謝だけでなく免疫に深く関係していることが知られるようになりました。
免疫に関係することから、がんの治療への応用や、感染症への抵抗力、さらに最近では花粉症や蕁麻疹などのアレルギーにも高い効果があることが明らかになっています。そして脳内で直接ホルモン様の作用があることが知られるようになり、うつ病や発達障害などの治療への応用が広がっています。
ビタミンDは体内で作る事ができる分子で、その材料がコレステロールである事と、紫外線を受けて皮膚で合成される事から日照時間が短くなり始めるちょうどこの頃からビタミンDの合成量が減り冬季うつと関連があるのではないかと考えられいます。
実際に最近患者さんとお話しをしていると何だか元気がでなくて体がとても冷える訴える方が増えて来てます。しかし、朝30分ぐらい散歩すると良くなると仰る方もとても多いです。食事とサプリもとても大切ですが、太陽を浴びるなど日々の生活の中のでちょっとした工夫をする事でより快適に過ごす事が出来ます。
皆さんも今の時期からしっかり日光浴をして、しらすや内臓もまるごと食べられる小魚をしっかり摂って揺らがない体づくりを。うちのクリニックでは、特に今はコロナ対策で患者さんにビタミンDの摂取を積極的にするようにお伝えしているのでしっかり飲んでいる方はこれからの時期、気分の変動は小さいかもしれません。
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