溝口徹の栄養療法ブログ DOCTOR BLOG

2023.12.04

歩く肺炎マイコプラズマからみる粘膜免疫の重要性

冬を前にして例年のようにインフルエンザの患者さんが増えています。今年はコロナの患者さんも混在しているのがいつもの冬と違うところですね。そしてメディアでは中国で流行っていると言われるマイコプラズマという聞きなれない感染症が注目されています。医学部の学生時代には、マイコプラズマは4年に一回大流行する感染症で・・などと記憶していましたが、最近では周期的な大流行は認めず通年性に見られます。以前は特殊な抗生物質がよく効いたのですが、耐性菌も増えて以前のようにスムーズに改善しないことも増えています。

ワクチンを打っても毎年インフルエンザが流行し、コロナもあれだけワクチンが推奨されましたが感染の予防効果は乏しかったことが分かりました。そしてマイコプラズマ。。。毎回新しい感染症に対してワクチンで対応でしょうか?答えは『No』です。栄養療法的に言えば、感染症のリスクを下げるのは健康な粘膜を作ることになります。免疫の分野では、「粘膜免疫」という分野が注目され700ページ以上の専門書も存在しています。自分にも著書があるので参考にしてください。

◇ウイルスに強くなる「粘膜免疫力」 (青春新書インテリジェンス)◇

 

栄養バランスの乱れは、入れ替わりの激しい組織の質を落とします。人の身体で入れ替わりが激しい組織の代表が粘膜なのです。つまり粘膜は栄養バランスの乱れで容易に質が落ち、その結果、粘膜免疫が作用せずに感染症が成立してしまうのです。

これまでの時代の流れを見ていると、今後も新しいウイルスなどがきっと出てくるでしょう。どの時代でも私達の体の作りは同じ、ウイルスや菌を侵入させない健康な粘膜免疫を維持する事がこれからのウイルス社会には必要です。
そして栄養療法で出来る粘膜免疫を高める栄養素は、タンパク質、グルタミン、ビタミンA、ビタミンD、亜鉛などになってきます。ウイルスの侵入口である上気道。
上気道の粘膜が粘度のしっかりある粘液で覆われている事、そして粘液層の中には免疫グロブリンの一種が分泌され、免疫グロブリンにはグルタミンやビタミンAが必須ですがAの働きをよくするには亜鉛も欠かせませんでしたね。

さらに粘膜細胞を緩みなく固く結びつけておくにはビタミンDが必要でビタミンDは直接血中濃度を測る事が出来る珍しいビタミンでもあります。

この他には、感染してしまい炎症が起きた時にはビタミンC、それから妊婦さんにも使用でき耐性が出来ない天然の抗生物質といわれるオリーブ葉エキスなどを使用していきます。もちろんクリニックで使用するサプリメントは医療機関専売で過剰症や添加剤での体の負担など考慮したサプリメントを使用しています。

コロナが流行してから感染症対策をされる患者さんも増え、クリニックの患者さんにはお子さんや旦那さんはコロナに感染したが自分だけ感染しなかった、感染しても軽度で済み後遺症もないなど患者さん本人もビックリするような事が沢山おきました。
クリニックスタッフも家族が感染し、り患したスタッフもいましたが軽度の症状のみでした、もちろん後遺症があるスタッフはいません。
感染してからではなく、感染しない体づくり大切だと思いませんか?

感染の理屈と自分の栄養状態を知る事で感染症などへの不安も軽減され精神的なストレスが減る事も栄養療法の大きなメリットの一つだと思います。
年内まだ予約枠空きもありますのでこの機会にぜひ栄養チェックしてみてくださいね。
既に患者さんの皆さんも定期的な栄養チェックがおすすめです。

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