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過敏性腸症候群とは、消化管の疾患がないにもかかわらず慢性的な腹痛や便通異常(下痢や便秘)が続く病気です。
他の病気ではないことを確認した上で、症状に基づいて過敏性腸症候群と診断されます。
下痢型、便秘型、混合型、分類不能型の4つに分けられます。
その他の症状としては、吐き気、頭痛、疲労、抑うつ、不安、睡眠障害などがあります。
青年期から20代に起こることが多く、症状が出たり治まったりというサイクルが不定期で繰り返されます。
急に便意をもよおしたり、激しい下痢症状が起こって何度もトイレに行くなど、日常生活に支障が出てくることが多いです。
これらの症状が多くある場合過敏性腸症候群(IBS)の可能性がありますが、他の重篤な疾患の可能性もあるため自己判断をせず医師の診断を受けることが推奨されます。
過敏性腸症候群(IBS)の原因ははっきりしていませんが、多くの場合、消化管が刺激に対して非常に敏感になっています。
過敏性腸症候群のうち一部の人は、高カロリー食や高脂肪食がきっかけとなっていることがあります。
小腸で吸収されにくい炭水化物を含んでいると発酵しガスが発生して腹部膨満や痛みが生じますが、多くの食品の中から特定の原因を突き止めることは困難な場合があります。
また、腸内細菌叢の変化や食物アレルギー、消化管の運動異常、知覚過敏なども関係している可能性があります。
ストレスや不安などの精神的要因、下剤など薬の乱用がきっかけになることもあります。
いつも同じきっかけで同じ症状が起こるとは限らず、明らかなきっかけがなくても症状が出ることもあり、どのように関連しているかは不明です。
過敏性腸症候群(IBS)の診断方法には、主に症状に基づく評価と、他の病気を除外するための検査が含まれます。
国際的に用いられている過敏性腸症候群を診断するための症状に基づく標準化された基準
過去3か月間に少なくとも週1回の頻度で腹痛がみられ、かつ以下のうち2つ以上に該当する
また、ストレスや不安など精神面に影響を与える要因がないか、下剤の乱用がないかなどの問診も行う場合があります。
他の疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎、セリアック病など)を除外するために、大腸内視鏡検査や便潜血検査、血液検査が行われることがあります。
過敏性腸症候群では、通常これらの検査結果は正常となります。
過敏性腸症候群(IBS)の治療は多面的に行われます。
主な治療法には以下のようなものがあります。
症状に応じて、セロトニン受容体拮抗薬や抗コリン薬などが使用されます。
セロトニン受容体拮抗薬は腸管の蠕動運動(腸管が収縮、弛緩して内容物を先へ押し出していく運動)を抑制し、腸管水分輸送の異常を改善することで、下痢の抑制や便形状の改善に効果があります。
抗コリン薬は腸の筋肉のけいれんを止めることにより腹痛を緩和します。
他に、特定の抗うつ薬で腹痛や下痢が軽減することがあります。痛みの緩和だけでなく、睡眠障害や不安の緩和にも役立つ可能性があります。
また、体によい細菌の増殖を促すプロバイオティクスが投与されることもあります。
多くの場合、食事1回の量を少なくして、回数を増やすと状態がよくなります。通常よりゆっくりと食事するのもよいです。
特定の食べ物がガスや下痢を引き起こす場合は、その食品を控えます。
便秘に対しては繊維質と水分の摂取を増やしますが、食物繊維の量を増やすと腹部膨満が悪化することがあります。
規則正しい生活をし、充分な睡眠をとることが推奨されます。
ストレスが原因の場合、心理的要因の改善を目指します。
ストレスを溜めないような環境づくり、リフレッシュできる趣味を持つなど緊張状態が続かないような工夫が必要です。
定期的な運動が消化管の正常な機能を保つのに役立ちます。
ウォーキング、ヨガ、ストレッチ、水泳など軽度な運動が推奨されています。
これらの運動が腸の蠕動運動を活性化し、腸の機能を整える効果があります。
また、運動はストレスの軽減にもつながり、過敏性腸症候群の症状を和らげることが期待されます。
日常的に取り入れやすい運動を継続することが重要です。
医療法人 回生會 理事長
みぞぐちクリニック 院長