起立性調節障害にかぎらず多くの疾患が症状からの診断によって病名が決められます。
起立性調節障害においても、チェックリストがあり3つ以上当てはまるときに起立性調節障害を疑うことになります。
さらに起立による血圧の変動などをチェックすることがありますが、現状では症状からの診断になっていることが多くなっています。
下記の項目のうち3つ以上が当てはまるときは、起立性調節障害を疑います。
いずれにしても、なぜチェックリストにあるような症状が起こってしまうのか?その根本的な原因については対応がなく診断と治療になってしまいます。
さてここで、起立性調節障害の後発年齢などを見てみましょう。
小学校高学年から男女とも起立性調節障害の生徒が増えます。そして中学、高校になると男女差が大きくなり女子の方が多くなります。
この時期、子供達にはなにが起こるのでしょうか?急激な身長の伸びと女の子には月経が重なります。
さらに男女とも運動などをしていると、体にとって栄養素の必要量が多い時期になります。
また鉄欠乏を疑うときのみぞぐちクリニックで用いているチェックリスを見てみましょう。
起立性調節障害のチェックリストにあるものと同様の内容の症状が多く含まれていることに気づくと思います。
子供たちの成長期には大量の鉄が骨の成長に利用され鉄が不足します。さらに女の子には月経が重なり鉄欠乏は深刻になってしまいます。
そして大きな問題点は鉄欠乏と鉄欠乏性貧血の違いを普通の医療機関では区別して診断していないことです。
海外では、鉄欠乏をIron deficiency(ID)、鉄欠乏性貧血をIron deficiency anemia(IDA)と区別して診断しています。
つまり起立性調節障害の子供たちに血液検査をしたときに、鉄欠乏(ID)があるのに、鉄欠乏性貧血(IDA)でないため鉄が足りていると誤って判断されてしまうということになります。
さらにこの時期には、ビタミンB群の不足も多く起こりやすいため、鉄欠乏とビタミンB群の不足は起立性調節障害のお子様に多くみられる栄養の問題です。
オーソモレキュラー栄養療法では、詳細な血液検査をおこなうことで鉄欠乏やビタミンB群の不足だけでなく睡眠のトラブルの原因になる栄養的な問題点を検査し対応することになります。
環境を整え学校や友達からの理解をしてもらっても、朝起きることができるようにはなりません。
また身体の倦怠感や集中力の低下なども改善することはありません。
小学校高学年から中学、高校の大切な時期、楽しく学校生活を行いたのしく友人との時間を過ごしていただきたいものです。
みぞぐちクリニックでは、オーソモレキュラー栄養療法によって根本的な原因を探り対策することで多くの患者さんの改善に貢献しています。
初回基本プラン |
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52,800円 初回基本プランに含まれるもの ・詳細な血液検査+栄養解析レポート ・診察料 5回分 |
※追加検査が発生する場合があります。追加検査の料金の詳細などは診療料金をご覧ください。
月々のサプリ代 |
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3万円~6万円 |
自律神経の働きが悪くなり、立ったときに身体や脳へいく血流が低下する病気です。
自律神経は内臓の働きなどさまざまな機能を調整しており、自分の意思でコントロールできません。
起床が難しい、立ちくらみを起こすなど午前中に症状が強く、午後から回復することが多いのが特徴です。
一般的な診察や血液検査ではほとんどの場合、異常を認めません。
小学校高学年から中学生、高校生、10~16歳くらいの思春期に起こることが多いです。
また、春や秋など季節の変わり目に症状が強く出やすくなることが知られており、気圧の変化なども影響すると言われています。
下記の項目のうち3つ以上が当てはまるときは、起立性調節障害を疑います。
症状は立っていると強くなり、横になると軽減する傾向があります。
また、睡眠障害や動悸、低血圧、鉄分不足などを併発する場合もあります。
自律神経が乱れて、交感神経と副交感神経のバランスが崩れることにより、立ち上がったときに血圧が急激に低下して、めまいやふらつきなどの症状が現れます。
自律神経が乱れる原因として、成長期のホルモンバランス、ストレスや人間関係などの精神的な要因、体質など遺伝的な要素などが挙げられます。
上記の症状チェックリストで3つ以上当てはまる場合は起立性調節障害を疑います。
他に鉄欠乏性貧血、てんかんなど同様の症状を起こすような基礎疾患が疑われるときは、鑑別のために検査をします。
安静時、起立後の時間ごとの血圧や心拍数を計測し、どれくらいで血圧が戻るか、サブタイプが何かなどの診断をする検査です。
サブタイプにはいくつか種類があります。
より正確な診断をするための検査で、ティルトテーブルという装置を使います。
ティルトテーブル(検査台)の上で安静にして、テーブルの角度を上げて自動的に立位をとり、血圧や脈拍の変化をみて自律神経の働きを調べます。
朝起きられない、疲れてやる気が起きない、不登校などに対して周囲から怠けていると思われることがあります。
無理やり起こそうとしたり、叱責することで親子関係が悪化することも少なくありません。
10代で症状が出る場合が多いため、本人、保護者に疾患の説明を詳しく行い、家族や学校側が病気をきちんと理解して、「努力や気持ちの持ちようで治るものではない」ことを知って接することが大切です。
必要に応じて、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーなどに相談しながら治療を進めることがあります。
日常生活の動作や習慣を工夫をすることで、症状が起こりにくくなります。
生活習慣の改善をしても日常生活が難しい場合は薬を使うことがあります。
末梢血管を収縮させ起立直後の血圧低下を軽減させる薬や、上半身や脳への血流を確保する薬、その他症状に合った薬を用います。
漢方薬の半夏白朮天麻湯、苓桂朮甘湯などを用いることもあります。
医療法人 回生會 理事長
みぞぐちクリニック 院長