女性ホルモンは、女性に対して多くの作用を有しています。
月経周期をたもち、妊娠出産などに関与するだけでなく下記のような作用があります。
更年期になり女性ホルモンの作用が低下することによって多くの症状が生じることが理解されます。
オーソモレキュラー栄養療法では、更年期の様々なトラブルに大豆由来のイソフラボンを使用することがあります。
イソフラボンの構造はエストロゲンに似ているため、エストロゲンが減少する更年期で効果が期待できます。
また更年期に近い年代における月経に伴う不調には、実は鉄不足やビタミンB不足などの栄養の問題を伴うことが多くあります。
月経による出血が毎月繰り返され、40歳を超えてくると隠れ貧血の状態が強くなる女性が多く、月経が近くなることによって、さらに鉄欠乏が進むため疲労感、頭痛、ときに抑うつ感などを自覚することになるのです。
オーソモレキュラー栄養療法では、40歳以上の女性で月経にともなう不調の改善を希望されるときには、すべての患者さんで行われる詳細な血液検査による栄養状態の評価とともに、ホルモンの予備力や女性ホルモンのバランスを保つために必要な関連する項目を追加して評価し治療法を決めることになります。
実際には、検査結果によって使用する栄養素の種類と量は決められますが、よく選択されるものは下記の栄養素になります。
初回基本プラン |
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52,800円 初回基本プランに含まれるもの ・詳細な血液検査+栄養解析レポート ・診察料 5回分 |
※追加検査が発生する場合があります。追加検査の料金の詳細などは診療料金をご覧ください。
月々のサプリ代 |
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3万円~6万円 |
女性はライフステージの変化とともに、月経に伴うさまざまな症状が出ます。
ここでは更年期障害を取り上げます。
卵巣の活動性が次第に消失し、生理(月経)が永久に停止した状態を閉経といいます。
日本人の平均閉経年齢は約50歳ですが個人差が大きく、40代前半~50代後半までさまざまです。
閉経前の5年間と閉経後の5年間を併せた10年間を更年期といいます。閉経が近づくと個人差がありますが、生理時の出血量の変化や、生理周期の乱れなどがおきる場合もあります。
更年期に現れる症状の中で他の病気に伴わないものを更年期症状といい、その中でも症状が重く日常生活に支障をきたす状態を更年期障害と呼びます。
また、最近では20~30代の若い年代でも同じような症状が出ることがあり、若年性更年期障害と呼ばれたりします。
若年性更年期障害は閉経とは関係なく症状が出現し、医学的にはっきりとした病態がつかめていません。
更年期の症状はさまざまで、個人差があります。
更年期の症状の主な原因は女性ホルモン(エストロゲン)が大きくゆらぎながら低下していくことですが、その上に加齢などの身体的因子、成育歴や性格などの心理的因子、職場や家庭における人間関係などの社会的因子が複合的に関与することで発症すると考えられています。
更年期障害に明確な診断基準はありません。月経歴を含む問診によって診断する「症候群」になります。
更年期障害は身体的因子・心理的因子・社会的因子が複雑に関与して発症しますので、まず十分な問診を行うことが必要です。その上で食生活や適度な運動など生活習慣の改善を試み、それでも改善しない症状に対して薬物療法を行います。
更年期障害の薬物療法は大きく3つに分類されます。
更年期障害の主な原因がエストロゲンのゆらぎと減少にあるため、少量のエストロゲンを補うホルモン補充療法(HRT)が行われます。
HRTは、ほてり、のぼせ、ホットフラッシュ、発汗など血管の拡張と放熱に関係する症状に特に有効です。
エストロゲン単独では子宮内膜症のリスクが上昇するため、黄体ホルモンを併用します。(手術で子宮を摘出した方には黄体ホルモンを併用する必要はありません。)
HRTに用いるホルモン剤には、飲み薬、張り薬、塗り薬などいくつかのタイプがあり、投与法もさまざまです。
漢方薬はさまざまな生薬の組み合わせで作られており、全体的な心と体のバランスの乱れを回復させる働きを持ちます。
多彩な症状を訴える更年期女性には「婦人科三大処方」とも呼ばれる当帰芍薬散(体力低下、冷え性、貧血傾向)、加味逍遙散(虚弱体質、疲れやすい、不安、不眠)、桂枝茯苓丸(体力中等度以上でのぼせ傾向、下腹部に抵抗・圧痛)を中心にさまざまな処方が用いられます。
気分の落ち込み、意欲の低下、イライラ、情緒不安定、不眠などの精神症状が強い場合には向精神薬を用いることがあります。
医療法人 回生會 理事長
みぞぐちクリニック 院長