冬季うつ(季節性感情障害)は、20~30歳代の女性に多いことが知られています。
オーソモレキュラー栄養療法では、血液検査データから栄養や代謝の問題点を把握して、それらのバランスを食事やサプリメントを用いて補正します。
20~30歳代の女性の多く認める栄養や代謝の問題点は、鉄、ビタミンB群、タンパク質の不足です。
冬季うつ(季節性感情障害)の原因としてセロトニン代謝が日照時間が短くなることによって変化することが知られていますが、脳内のセロトニンはタンパク質に含まれているトリプトファンというアミノ酸を原材料として、鉄やビタミンB群の存在によって合成されます。
これらの栄養問題点は、冬季うつだけでなく多くの愁訴や病態の改善の基本になるもので、積極的に補正することになります。
冬季うつ(季節性感情障害)の場合には、日照時間との関係が指摘されているため、オーソモレキュラー栄養療法では特にビタミンDの血中濃度に注目します。
ビタミンDは、皮膚に紫外線が当たることによって合成されるため、晩秋から冬季には合成が低下し血中濃度が下がることが知られています。
そのため冬季うつ(季節性感情障害)の場合には、ビタミンD血中濃度の適正化は重要になります。
日本では、ビタミンDの血中濃度を30ng/mlを目標にしていますが、赤道直下で暮らす先住民のビタミンD血中濃度は、平均50ng/mlであり、新型コロナウイルスの感染率もビタミンD血中濃度が高くなると下がることが知られ、約60ng/mlを目標にすることが推奨されました。
オーソモレキュラー栄養療法では、ビタミンDの血中濃度を通常よりも高めに維持するために食事の変更とサプリメントで補充します。
自分の身体で合成するビタミンDはコレステロールが原材料であり、コレステロールが低い場合には適正な値になるように食事指導を重視します。
ビタミンDは、カルシウム代謝に関係し骨を丈夫にする作用が知られていたのですが、2000年を過ぎてからカルシウム代謝以外に多くの作用があることが知られるようになりました。特に脳を保護している作用が注目されています。
ビタミンD以外に脳を保護しているものにDHEA、プログネノロン、エストロゲンなどがあり、ブレインステロイドと言われています。
晩秋から冬季には、ビタミンDの作用が不足したときに、女性の場合にはエストロゲンによる代償が必要になるため、エストロゲン作用が不安定な若年女性に多く発症する可能性があります。
初回基本プラン |
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52,800円 初回基本プランに含まれるもの ・詳細な血液検査+栄養解析レポート ・診察料 5回分 |
※追加検査が発生する場合があります。追加検査の料金の詳細などは診療料金をご覧ください。
月々のサプリ代 |
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3万円~6万円 |
冬季うつは、季節性感情障害(SAD)の一種で、主に秋から冬にかけて発症し、春になると回復することが多い気分障害です。
季節型うつ、ウインター・ブルーと呼ばれることもあります。
一般的なうつ病とは異なり、過眠や過食が特徴で、特に炭水化物や甘いものを欲する傾向があります。
特に高緯度地域で発症率が高いことが知られています。
反復性うつは、治療後も再発を繰り返すうつ病で、特定の季節に症状が現れることがあります。
冬季うつもこの一形態とされることがあります。
冬季うつの症状は以下の通りです。
気分の落ち込み
冬になると憂うつな気分が続きます
過眠
寝ても寝ても眠い状態が続きます
過食
特に炭水化物や甘いものを食べ過ぎる傾向があります
体重増加
食欲が増え、体重が増えることがあります
エネルギーの低下
疲れやすく、活動意欲が減少します
冬季うつは、主に日照時間の不足が原因とされています。
秋から冬にかけて日照時間が短くなることで、脳内のセロトニン分泌量が低下し、これが感情のコントロールに影響を与えます。
医療法人 回生會 理事長
みぞぐちクリニック 院長